Present's

□Let's have a snowball fight!!
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そして、それから後。
俺は、目の前に繰り広げられる状況に対し、
潔く諦めをつけた僅か前の俺自身の決断を激しく恨む事となった。

何故ならそれは―。


どべしゃっ!


「って‥!?」
「お?すまないな、ワリオ!だが、いつまでもそこにいたら当たってしまうぞ!」
「‥ファルコン‥!何やってんだてめぇは!っつか、これで何度目だ!」

あれから、外庭の賑やかしさに釣られてか、
家の中で暖をとっていた連中まで出て来た事により、盛大な雪合戦大会になってしまったのだが。
俺は、目の前で見事顔面に雪玉を食らい悲鳴を上げるワリオと、
その視線の先の"ヤツ"に思わず怒鳴り声を上げた。

「さぁ‥?覚えてないなぁ」
「"さぁ?"じゃねぇっ!てめぇは雪玉作り(ディフェンス)に徹してろっつっただろうが!
何勝手に俺らの方に混じってんだよ‥‥!って、おわ!?」

瞬間、顔のすぐ傍を雪玉が猛スピードで横切って行く。
反射的に交わし、間一髪セーフだが、その気迫に冷や汗が頬を伝う。
見れば、投げてきたのはガノンドロフだった。

「油断してると痛い目を見るぞ。
‥そいつらとの楽しいお喋りも結構な事だが、もっと俺を楽しませてからにするんだな」
「ファルコ、気をつけろ!他にも色んな連中がお前を狙ってるぞ!」
「誰の‥っせいだと思ってやがんだぁああああ!!」

流れでファルコンのチームに入ったは良いものの、あまりの事に俺は驚いた。
アイスクライマーのナナが"向こうのチームがすごく強い"と言っていたのにも納得だ。
いや、正確に言うとこちらのチームが弱過ぎたのだ。
何故なら、チームリーダーであるファルコンは猪突猛進な上‥


べしっ!


「ちょっと、ファルコン!どこに投げてるのよ!?私達は同じチームでしょ?!」
「すまない、ナナ!」

‥‥凄まじいくらいノーコンなのである。
雪合戦開始早々、次々と新たな敵を作るどころか味方からも怒りを買う始末だ。
俺自身も、ヤツから何度雪玉を食らったか分からない。



だが、仏の顔も3度まで。

‥いや、ここは堪忍袋の緒が切れるといった方が正しいか。


「っおわ!?」


雪玉の潰れる音と新たな犠牲者の悲鳴。
状況を把握した俺は、心からの叫びを上げた。

「‥‥てめぇはっ‥‥!これ以上余計な敵を増やすんじゃねぇえええええええ!!」





"後から悔やむ"と書いて後悔すると書くが、
俺はこれ程にまで大きな後悔をした事はなかったんじゃないかと思った。

―‥これからは‥絶対、軽はずみに巻き込まれるような事はしねぇ‥!


そして、そう、心に誓う俺だった。
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