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□平安平成
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小学校の卒業式はさほど泣いたりもしなかった
皆同じ中学に進むから
別れなんてものは少しも感じなかったと思う
思い入れのある校舎や
先生たちと別れるくらいで
あまり回りの景色は変わらないとおもったし
そう考えたら
卒園式なんてもってのほかだ

中学の卒業式は少し泣いた
皆が揃うことなんてもうないんだと知ったから
皆別々の高校に進学して
同じ高校にすすんだ数人の友達は
また俺の目の前にあまり変わらない風景を作り出してた


この調子だと高校の卒業式は号泣だと思う
かといって人前で泣く気はないが

大学に行くやつから
就職して社会人になる奴まで
学生という同じ枠組みにさえいられなくなると理解するんだろう


なにより
もう、会えないんだと寂しさが込み上げて押さえきれなくなると思う

俺は別段人よりも寂しがり屋な訳でもない
でも、寂しいのは好きじゃないのは誰だってそうだろう?



でも、よくよく考えてみたら
卒業なんかよりも
死っていうものは
もう会えないって意味を色濃くふくんでるわけだよな


もし
魂が廻っていたとしたら


そう考えたら
俺は何回別れを経験してきたんだろう
何回の死を経験してきたんだろう


誰かと笑って
死ねたのだろうか
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