短編
□ああ、なるほど
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「…黒子。そこで青峰にパス」
「はい」
「…おらっ」
ガコン、とリングが軋む。それと同時にブザービーターが鳴り響いた。
「…練習試合、帝光中106点、透谷中39点で帝光中学校の勝利です」
「……」
ベンチに汗だくの赤司、紫原、緑間、黒子、青峰が体重を預けるように座る。
『お疲れ様、皆。タオルとドリンク、持ってきたから各自で水分補給しといてね』
「ありがとうございます」
「サンキュ、」
「助かるのだよ」
「ありがとー」
『…はい、征君。』
「ああ、」
赤司は千尋を見ず、片手を差し出した。
その片手にボトルとタオルを乗せると、そのまま千尋は1人1人のマッサージに向かう。
「――――…よし、出ていた面々は疲れているかもしれんがそろそろ帰るぞ。」
「…ウス」
青峰の返事と共に黒子たちは立ち上がり、ジャージの上着を羽織って歩き出した。
「……」
『?』
赤司は相変わらずぼーっと虚空を眺めている。