桜からの手紙
□親の存在
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3月初旬、あと1月もしないうちに桜高校の卒業式がやってくる
桜の木はというと相変わらず蕾を作ることなく枯れたままである
『やっぱり無理なのかな……いやっ諦めたらそこまでだ、絶対咲くっそう信じよう!』
自由はいつも通り篠田先生の教室で庭にある桜の木を見ていた
その間にこのあいだ病院で自分の脳のCTスキャンした時の結果のカルテを見ていた
『すべて異状無し……おかしいよな〜』
これまで自由は優子を始め由紀・板野さん・そして麻友と佐江の異変にもすぐ気がついた
特にこれといったことは感じていない、ただ彼女たちに何かがあるということだけはすぐ分かった
一体何なんだろう……もしかして俺エスパーなのかな?
『んな訳ないか、偶然だよな』
「失礼します…って、自由さんいたんですか?」
『あっ君は………高橋さんだったよね?』
「みなみでいいですよ、もしくはたかみなで」
『分かった、篠田先生はいま留守にしてるよ』
「そうですか、じゃあ戻ってきたらこれ渡しに来たって言っといてくれますか?」
みなみは持ってきたプリントを篠田先生の机に置いて自由に言った、断る理由もないので自由は承諾した
『分かった、来たらそう言っておくよ』
「すみませんっよろしくお願いします、あと………1つ聞いてもいいですか?」