桜からの手紙
□負荷の意味
2ページ/10ページ
「気にしないで、さすがに女子高の中を男子1人で歩かせるわけにはいかないから」
『はは・・・確かに』
ごもっともな意見です、自由はそう思いながら篠田先生の後をついていった
しばらく歩くと職員室と書かれた部屋に到着した
「前田先生、お客さんですよ」
「んっ誰ですか?」
『あっ・・・どうも』
「ああっ入野さん、来てくれたんだね」
『ええっなんかあの桜の木が気になっちゃって』
「ありがとう、君みたいな人がいてくれてっきっとあの木も喜んでるよ」
『ならいいんですけど・・・・あれ?なんですかその荷物』
「ああこれかい?今日で僕っ教師を引退したんだ」
『引退!?どうしてですか!?』
「・・・・言いにくいことなんだけど・・・・すい臓がんなんだ、僕は後・・・・・3ヶ月しか生きられないんだ」
3ヶ月・・・・それじゃあと少ししか生きられないってことじゃないか!どうしてそんな状態になってまで・・・・
「入野さん」
『っ・・・なんですか?』
「もし・・・もし君が良ければ・・・僕の変わりにあの木を見守ってほしいんだ」
『俺なんかで・・・良いんですか?』
「不思議だと思うよね、まだ君と出会ってから数日しか経ってないからね、でも僕は・・・・君だから頼みたいんだ」
自由の近くにやってきた前田先生、その目はとてもまっすぐで澄んだ色をしていた