桜からの手紙
□失う辛さ
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自由は病室の中に入り珠理奈に駆け寄った、その顔は真っ白だった
『なぁ・・・・嘘って言ってくれよ、いつもみたいに笑顔に起き上がってよ!・・・嫌だよ・・・・いなくならないでよっ・・・・・・・・・珠理奈ー!!!』
温もりがなくなった珠理奈の手を握りながら自由は叫んだ
声が枯れるまで・・・・涙が止まるまで・・・・・ずっと・・・ずっと泣き続けた
『(君を失ってから・・・・俺は生きる希望を失ったよ、しばらくは家から出る気力だって無かったんだよ、食欲も出なくて・・・・それで6キロも痩せちゃってさ、なんか俺の方が病人みたくなっちゃった時もあったんだよ…でも・・・・俺は気づいたんだ、こうやって悔やんでいても・・・前には進めないって…こうやって悲しんでいても・・・きっとお前は喜んでくれないって思ったんだ…だから俺は立ち上がったんだ、昔より・・・・性格は大人しくなっちゃったけどさ、でもっ気持ちは昔のままだから安心して…は・・・もう1度歩くから、珠理奈みたいな女の子に会えるかは分からないけど
…君の分まで俺は生きるから・・・・天国から見守っていてねっ珠理奈・・・・)』
『じゃあっまた来るから』
自由は花束を置いてその場から去った、その時っ珠理奈が笑っている声が聞こえたような気がした
その帰り、自由は珠理奈が通っていた碑文ヶ丘高校の前を偶然通った
初めて通ったから全然気がつかなかったけど、不思議とその高校を見たくなった
そして門の前まで来た時、花が咲いていない桜の木が自由の目に入った
そこから・・・自由の新しい出会いが始まっていったのであった