桜からの手紙
□親の存在
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「いいえ、入野くんが毎日見続けてるだけでも僕はうれしいですよ」
『ありがとうございます、あと前田先生っ少しお尋ねしてもいいですか?』
「なんでしょうか?」
『前田先生のクラスにいる高橋みなみさんってどんな生徒ですか?』
「高橋さんですか………いつもクラスの先頭に立ってくれる頼もしい生徒ですよ、学級委員も務めてくれてますし」
『そうですか……頼れる存在なんですね』
「ええ、けどどうして高橋さんのことを?」
前田先生が疑問に思い質問してきたので自由は昨日みなみに会った時に感じたことを話した
笑顔で話しているのにその顔はどこか悲しそうな顔をしていたこと、どこか苦しそうな感じをしていたことを
「そうなんですか……やっぱり君は凄いよ」
『えっどういうことですか?』
「ここだけの話ですが……高橋さんの苗字は実は本当のものではないんです」
『えっ!?』
「高橋という苗字は育て親である高橋さんのものなんです」
『それって……じゃあみなみは養子ってことですか!?』
「そういうことになりますね、そして……この人が高橋さんの本当の母親なんです」
前田先生から渡されたのは一枚のチラシのようなものだった
それはあるオーケストラのチラシであった、何のことか意味が分からない自由は前田先生に質問してみた
『どういうことですか?』
「そこに谷崎杏子っていうバイオリニストの名前があるでしょ、その人が高橋さんのお母さんなんですよ」