桜からの手紙
□たった一つの命
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来校者用の玄関から革靴に履き替え外に出る、すると校門の前で由紀が友達の北原さんと一緒に手を振っていた
「自由くんっ」
『お待たせ由紀、待たせてごめんね』
「ううん、北原さんと話してたから平気だよ」
「おお……由紀ちゃんの彼氏さんやっぱイケメンだね!」
「ありがとう里英ちゃん」
『すっかり親友になったね、類は友を呼ぶ……か』
「なんですかそれ?」
『ことわざだよ、似た者同士は無意識に同じ場所に集まるって意味なんだ』
「じゃあ私も由紀ちゃんも鉄道マニアだからっ」
「惹かれあってこの学校で出会ったんだね!」
「うわぁ〜凄く運命感じるなぁ〜」
「私もっ」
『(由紀……本当によく笑顔になるようになったな、初めて会った時とはまるで別人だよ)』
「あっ私そろそろバイトの時間だから先に帰るね」
「うんっまた明日ね里英ちゃん」
「うんっ彼氏さんと仲良く帰ってね由紀ちゃん」
「うっ…うん///」
そう言って北原さんはその場から走って去って行った
残った自由はゆっくりと由紀の左手を”ギュウッ”と握る
『じゃ…俺らも帰ろうか』
「うんっ」