海賊の噺

□白髭一番隊 隊長様☆
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Hello 皆様こんにちは、こんばんは…?


ワタクシは世間一般でいいます普通の主婦でございま…

「おーいマルコ〜なに黄昏てんだぁ?」

…した。
けして某有名アニメのオカッパ小学生の名前でもなくふっつーの名前でしたし、

『…うるせぇよぃ。なんの用だ…サッチ…』


こぉんなひっくぅーい声ではなかったです。









ー…そう、あの日…


いつも通りに目覚めて、今日は朝から仕事が入ったから一緒には送れないから休ませろと唯我独尊の旦那様から言われて、私一人でも大丈夫と愚図る可愛いひとり息子を車で学校へ…送る途中で反対車線からトラックが突っ込んできて…

即死ーだったのでしょう…

熱かった気がするんですが、特に痛みもなくブラックアウトして…

たぶん、息子も…


…気づいたらオギャーと記憶を保ったまま産まれていました。


ちなみにこの身体のお母さんは金髪の美人さんでした。



…それなのに、言語はどう聞いても日本語で、新聞(らしきモノ)は英語…
家の様子も見たことのないモノがゴロゴロあって(カタツムリ…?)
大人たちの会話の中で頻繁に聞くのが“海賊”や“賞金首“など…穏やかではない様子…


どうやら違う世界に生まれてしまったみたいでした。



母子家庭で裕福ではなかったけれど、大事に育ててくれた今生の母は生来身体が弱かったらしく流行病を患いこの世を去った…

生まれ育った島に愛着はあったけれど、
母の四十九日(こちらではそのような習慣はなかったみたいです)が過ぎてから島を出た。

海に出るのは危険だとみんなに言われたけれど、どうしても諦めきれなかった…




私が生まれてきたのだから、きっと…息子も
この世界のどこかにいるんじゃないかって…


それから数年、賞金稼ぎをしながら島々を転々としていたときに親父であるエドワード・ニューゲートさんに出会いー今に至る…と、





オヤジの船であるモビーディック号に乗り、白ひげ海賊団に入って十数年経ったー


自由に動けるように
同年代の中でも一番に出世して隊長を任された。




『(まだ諦めない…絶対に見つけてみせる…)』
(ペロリ)






ーたとえ自身が漫画の登場人物であろうとも…


諦めが悪いんだぃ、海賊だからねぃ。







ガタンっ!!



「―はぁ…」



―と、前世?含め今までの回想と愛しい息子を必ず探し出す決意を改めてしていると、モノが盛大に倒れる音と隣に移動していたサッチからタメ息が聞こえた



『…なんだよぃ。(見張りの方倒れちゃった!?)』



「―はぁぁぁ…!!」



見張り台を気にしつつサッチを見ると、いつもキメてるフランスパン…ではなく!!リーゼントをグシャグシャにして再びタメ息を吐かれてしまった。なんで?…しかも最初より長かった!!


『だから、なんだよぃ!!(そして大丈夫か!?今日の見張り!!)』



何故かしゃがみこんで頭を垂れてるサッチに向かって再び問う。―というか怒鳴り付けた。

息子の事を考えてしまうと情緒不安定になってしまうのはこの身体になっても変わらない。

今の私は…


「…と…―を、引っ込めろ…」



『…は?(考え事してたら聞こえなかった)』




「うあ〜、…いいからその覇気だけでも引っ込めろ。ウチの新人くんイジメないであげてくれるか?」



『…わかったよぃ。』



しゃがんで髪を乱したままこちらを見上げて唸りながら言われた。
…カワイイ。普段も髪の毛そうしとけば…
ではなく!!はき?吐き?
ああ、覇気ね。オーケー。

―覇気出したかな?無意識?…とりあえず深呼吸深呼吸。心の中でだけど。

落ち着け自分。サッチは同期。歳もおんなじくらい。つまりオッサン。カワイイはない。
さすがに無い。
自分は?前世合わせると精神年齢…って、いらないこと考えて精神的ダメージが…



「あ〜やっぱ今の無し。―奴さん等のお出ましだ。」



先程までの雰囲気とは違いギラギラとした眼でもう暗く黒い海の一点を睨み付けるサッチ…



『(ギャップがすごいなぁ…)

ああ。やっと来たのかよぃ。


―敵船確認。全船員、戦闘配置に着け。非戦闘員は速やかに避難しろよぃ。
…今日は一番、四番隊だ。―遅れをとるなよぃ?一番隊。』


産まれてからしばらくはペットだろうと思っていた(いや、虫籠に入れてなかったからオブジェ?)電伝虫を使う。
船内から悲鳴やら雄叫びやらが聞こえてきたけど
まだ敵船たどり着いてないんだけどな?

(「隊長!!ハヤマラナイデ!!」って何さ?我が副隊長殿?)


「…ヒイキすんなよ。一番隊隊長殿?」


『…四番隊もガンバレよぃ。』



サッチの不貞腐れた物言いに離しかけていた電伝虫を持ち再び船内に呼び掛けた。

うん。叫び声なんて聞こえない。
敵船まだ来てないもん。


「マルコ隊長!!オレらの隊は!?」な〜んてキコエナイよぃ。



『―ハヤクコイヨ、オマエラ…』



ついついカタコトになっちゃったし、マルコの口癖(チャームポイント?)無かったけど、仕方がないよね?
ホント早く来い!!なに?遊んでんの?私遊ばれちゃってんの?

電伝虫めちゃくちゃ怯えてるんですけどゴメンね。
ほら、これから戦場になるからお前もお逃げ。


電伝虫の避難完了と共に甲板に得物を携えた一番、四番隊の隊員達―を睨んだ。



―ちょっとオマエ等遅いよ。



「だから、あんまイジメんなって。」



―少し睨んだだけだよ。
心の中で拗ねてたら、苦笑いしたサッチが我が隊に向かう




「おら、一番隊。マルコの得物…」



「はいぃぃぃ!!」


サッチの言葉で真っ青な顔のまま私の…オレの得物をサッチに渡す我が隊員。
…サッチに渡してどうするの。


「うおっ!!相変わらずだなぁ〜

ほら、機嫌直せって。」



どちらに発しているのかは分か…るんです。私とその子達ですよね。

今だ苦笑いしてるサッチから得物―私の相棒であり、オレの武器を受けとる。

漫画やアニメではマルコに得物は無かったかな?彼自身、不死鳥の炎を纏って戦ってた気がする。

私も不死鳥になれるけど(悪魔の実はこの世のものとは思えないほど不味かったです)
前世でも今世でも双剣使い。
原作何処行った?
知らないよ。
私は私。彼は彼。
そもそも前世で相棒だった双剣がある時点で…私がマルコという事で原作どこ状態でしょう?


という訳で、双剣使いのマルコです。



『(しかし―ホントにサッチの事大嫌いだよね。二振り共。

ほら、一緒に戦ってくれる?)


―緋炎、蒼炎。』



【…はい。主さま。】



―はい。剣が喋りました。

ちなみに人型にもなれるというなんとも不思議な武器になっちゃってます。

…いや、前世から曰く付きの代物っていうのは知っていたんだけど、世界を越えて追いかけてくるくらいには気に入られてたみたいです。
会ったときにはビックリしちゃいましたけどね。


ああ、敵が来ちゃいましたね。
私の前世や相棒については後ほど…



『―誰に喧嘩売ったのか思い知らせてやれよぃ。』









今日も海賊的波乱万丈命懸けの日常を送っております。
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