会いたい 本

□伍
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…はて
働くとは言ったものの、
いつに来いだとかの指示は無く、取り敢えず次の日、
僕は探偵事務所の前に

…ん?
探偵事務所に一人の男が入っていくのが見えた
「依頼人…かな?」
ということは仕事か
丁度良い

僕は意を決して事務所の階段を上がる

「女子供に自己紹介なぞ無用!!さっさと本題にはいらんか痴れ豚がァ!!」

という叫び声がドアごしに聞こえてきた




入りたくねぇ



どうしよう…

どうしよう切実に入りたくねぇ
中からの話し声も続いているし、入るにも入れない

「ティアスさん?」
声がした方を見れば、それは芥辺で、少し安心する

「ど、うも」
苦笑いを浮かべてそう言うと、芥辺は少し不思議そうな顔をしてから
構わず室内に足を踏み入れた
僕も慌ててそれに続く

「…何やってんだお前ら」

「わーアクタベさ〜ん聞いて下さいよー純愛ですよ〜これは時空を超えた純愛ですよ〜〜」

「あ?」
芥辺でも困ることはあるのか
いや、この状況、誰だって困るか…

しかし常識人だと思っていた佐隈さんがこうも

「芥辺殿とお見受けした」

赤いトカゲ…こいつも悪魔かな?
「我々の革命のため、アクタベ殿にはぜひ協力をお願いしたい」

「お願いしまァす」

「なんだァキサマ」

えぇと…

話についていけない
完全に置いていかれているぞ僕

しょうがないので話がひと段落するまで部屋の隅でじっとしている事にした





それにしても悪魔の数…増えてないか?

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