会いたい 本

□陸
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「ティアスさん」

はっ


どうやらじっとしているうちに寝ていたらしい

「えぇとそちらの方は?」
芥辺の方を見れば、そこには背の低い女性が立っていた
「悪魔だ」

「え」

「悪魔のアンダイン」

「えぇ!?悪魔ってあのちっこいのだけじゃないんですか?」

「なによ!!私がデカ女って言いたいの?!何よこの男!?」

「おとッ?!」

男だと思われてる…

「まさかあなた!ソッチだったの?!ソッチ系だったの?!!」
芥辺の腕を掴んで揺らしながらそう叫ぶ彼女

というかそっち系ってソッチってどっち?
え?もしかしてほm…
いやいやいやいやとりあえず弁解を…

「いえ!ただ僕は、
あなたのようにスラリとした美人な女性は見たことがないと…」

「やだぁこの子!そ、そんなに褒めたって私の恋人はこの人なんだから!!」
あ、癇に障ったかな…
「ま、まぁ?でもあんたがそんなに望むっていうなら男友達程度には?仲良くしてやっても?いいわよ?」


ちょろい…

「ありがとうございます!、僕、ティアスって言いますよろしくおねがいしますね」

「女みたいな名前して!可愛いじゃない…」
頬を染めているアンダイン

ちょろいぞ…
この悪魔ちょろすぎる…



「まぁ、そういうことだから…俺はしばらく用がある、お前はテレビでも見てろ」

芥辺は僕を手招きして出口へと歩いて行く、
僕も慌ててそれについて行く

「ちょっと!二人して何処に行こうっていうのよ!まさかやっぱりあんたたちそういう関係なんじゃ!「違いますから!!」」

焦ってそう言うと、アンダインはそう…と言って諦めた様子で芥辺を見た
芥辺はアンダインを無視してそのまま外に出た

外に出ると、何処かに行くわけではなく、芥辺は中の様子をうかがっていた

この人がここまで真剣になるということは何かあるのだろうと、
僕は黙ってその姿を遠目に見ていた



ニヤリ
「っ!」

少し経って、凄く悪そうな笑みを浮かべた芥辺は部屋の中に入っていった
あの人…本当に人間なんだろうか…

天界にいた下種(天使)どもの浮かべる薄っぺらい笑みよりも寒気がした

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