桜舞う朧月 文
□その存在
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あいつは嫌われに行くのは得意なんだ。
だからなのか、好かれに行くのは下手だし苦手だ。
でも、それは相手の事を思っての事なんだよ。
そう言って、私の頭を撫でる父は少し誇らしそうだった。
でも、すぐにまた困った笑顔で私に続けた。
だから、怖がらないでやってくれ――
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