桜舞う朧月 文
□開幕
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今宵は満月だ。
春に見られる輪郭のぼやけた月、朧月が自分の存在を示している。
あたりには桜が舞う。
月明かりに照らされながら、ゆらゆらと夜空に舞う薄紅色の花弁。
その風景は、とても神秘的な物に思える。
そして、それを背に佇む美しい少女もまた……
とても神秘的に見えた……。
少女の淡い色の髪も風に揺られている。
その幼く、小さな手を私に差し出し、少女はこう言ったのだ。
「……一緒にくる?」
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