短編BOX

□第七班のとある任務
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第七班のとある任務



その日はいつもどーりに集合して、最近慣れてきた遅刻魔のカカシ先生を待つこと一時間。

皆、カカシ先生を待つ間までの暇潰しとして本やらちょっとした娯楽を持ち寄るルールまで出来上がっていた。今回はオレがトランプ持ってきたので四人でババ抜き開始。
オレのはじめの予想では上がり順はサクラ→サスケ→オレ→ナルトの順だと思っていたのだが、蓋を開ければビックリ、上がった順はナルト→オレ→サクラ→サスケの順だった。

ナルト、こいつ思った以上に賭け事に強い…。オレがカマを掛けてもまったく引っ掛からないのだ。それに比べてサスケの引っ掛かること引っ掛かること。てっきりポーカーフェイスだから強いと思いきや、こういう遊びには弱いらしい。純粋というか、真面目すぎるのだろう。だからオレの嘘の表情に騙される。
そしてサクラはもののみごとにサスケしか見てないのでなにも考えずに取っているっぽい。

サスケ抜きでやったら間違いなく1位なのになぁー。

ちなみにそのサスケは下らないと呟きつつも悔しそうにしてました。
君は人とのコミュニケーションを増やせば一気に強くなるよ。多分。


「みんなおはよう!いやー今日は宇宙の心理を考えていてな」

「嘘だな」

「嘘だってばよ」

「そうね、カカシ先生がそんな壮大なこと考えるわけないもんね」

「きっとイチャパラ新刊の広告見てたんだぜ」

「ああ、ありえる」

「……」


第七班のメンバーの冷静な対応に影が付き始めるカカシ先生。先生子供だってね、成長するんですよ。


気を取り直してカカシ先生が咳払いを1つ。


「えーと、今回の任務は…『アカデミーの手伝い』だ」


カカシ先生が手元の資料をナルトも分かるように簡潔に読み上げていく。資料の中身はアカデミー基礎クラスの担当教師が三人ほど食中毒により休んでしまい、人手が足りないので手伝ってほしいというもの。

ちなみに食中毒の原因は牡蠣だそうで…。しっかり火を通そうぜ。


「でも、私たちも卒業したばかりだから教えられるのは限りがあると思うのだけど」


サクラがカカシ先生に疑問を投げ掛ける。そもそもアカデミーの担当教師は中忍の中でも特に教育方面とかその他もろもろで優秀な人物だけがなることが出来る職業で、実はイルカ先生やツバメ先生は凄い人なのだ。


「んー、ま、手伝うのは基礎クラスの体育の授業だけだから。それに休み時間にてきとうに遊んでやればいいよ」

「なら平気そうね」


小学校一年生くらいの体育といってもそうとう前なので詳しくは覚えていないが、なんか遊んでいたのはぼんやりと覚えている。


「イルカ先生に会える?」

「イルカ先生は応用クラスだろ、会えるのはツバメ先生だよ」

「ツバメ先生かー」


ナルトも久しぶりに先生に会えるから嬉しいのかソワソワしていた。


「んじゃ、そろそろ時間だし、お前らいくぞー」
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