短編BOX

□主人公の性逆転物語
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「…………どうしてこうなった…」


それはちょっとした好奇心から生まれた悲劇であった。

















数日前、里にある物凄い古くからあるという噂の本屋に赴き、いつも通りに本を漁っていた。

で、その日は何となくその本屋の滅多に行かない棚の方を漁っていたんだ。そこはよくわからない内容の本が無造作に置かれていて、何となく雰囲気も暗かったから無意識に避けていた場所だった。

しかし、なぜかその時は無造作に置かれているなかでとある本が気になってしかたがなかった。タイトルも保存状態が悪くて擦りきれほとんど読めない感じになってたし、表紙なんて紺色に白色の六芒星のマークがひとつだけ。怪しさマックスのそれを気付いたら手に取っていたので何かの縁だろうと購入してしまった。

本屋のじいさんなんてこんな本あったっけ?と小さく呟きながらタダも同然の金額で売ってくれた。曰く保存状態が悪すぎるから。

こちらとしてはラッキーという感想しかなかった。


早速家に戻り本を読んでみると、その本は何かの変化の術の研究書だった。なんの研究だったのかは分からない。全ページに至って重要な単語が破れていたり虫食いにあってたりインクが滲んでいたりしてたから。

だが、逆にオレの好奇心に火を着けてしまった。草木の血か、記されていた穴あきだらけの印の組み合わせを完成させたいという欲求に駆られた。

今から思うとかなりあの時のオレはアホだったと思う。

なんの変化の術かも分からないのに緑継眼フル活用させてわずか数日で完成させてしまったのだ。


で、でだ。


何を思ったのか勢いのままにオレは印を組んでしまった。水龍弾の印を軽く越えるほどの恐ろしく長ったらしいやつを…!寸分の迷いもなく…っ!!


今は激しく後悔してます。

なのでオレを印を組む前まで戻して下さい、そしたらオレは印を組もうとしているオレをぶん殴ってでも阻止して見せますから。



「………」


…まぁ、後の祭りってことは重々理解しているんですけどね………。…それとも後悔先に立たず…か…。


項垂れた目の前にあり得ない物が二つほどその存在を激しく主張していた。

それは体を揺らすとその動きに合わせてタユンタユンと揺れ、普段ブカブカのパーカーの胸の部分がそいつのせいでパッツンと張っている。もちろんそれだけのせいじゃないのは理解している。背も心なしか少し伸びてるし…。いや、やっぱりそれを差し置いてもやっぱり主な原因はその二つの山だ。


「…………Eか…Fかな…」


しばしの現実逃避。

試しに持ってみる。うん、幻覚の類いじゃないみたいだ。触られてる感覚あるし。


そして、もっとも重要なアレ。

もう嫌な予感しかしないが確かめないといけない。

ズボンを引っ張って隙間から覗いて数秒停止。


「……………」


やっぱりというか、
ありませんでした…。


「これが噂であった木ノ葉の里7伝説その1『女体化の術』か……」


こうしてシゲルの悲劇は始まったのであった。
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