第一部
□師弟なう
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「シカマル起きろ、またツバメ先生にどやされんぞ」
「んー…めんどくせぇー…」
「シゲルもうほっときなよ。これがシカマルの個性なんだから」
「チョウジ、それは諦めというものだ。アイデンティティーは大切にするのは良いことだがTPOも学んでおくべきだ」
「てぃー…え、なんて?」
アカデミー生活が一ヶ月を過ぎた頃、教室内のオレの転入生ムードは薄れ、代わりに自然と一緒にいる仲間ができた。シカマルとチョウジである。
そう、積極的に関わらないと決めた原作キャラ達である。
どうしてこうなったかと言うのは凄く簡単。
まず、他のグループに入ろうとすると年齢の差がありすぎて話についていけずに孤立化。結果静かに自分の席で読書に耽る、すると相変わらず隣にいるシカマルはずっと寝ている為に凄く楽。で、シカマルの友達のチョウジがやって来て今の状態に至るというわけだ。
これがトリップしたものの宿命なのかと心のなかで呟いたところで思考を放棄。いかんな、確実に姉の毒(思考回路)に侵されてきているらしい。
「続きは明日、次は外だから遅れないように!」
ツバメ先生が号令を掛けたところで生徒達が蜘蛛の子を散らしたように一斉解散。どんだけ休み時間楽しみにしてんだよ。オレもだけど。
「うぐ…っ!?」
突然隣で聞こえた呻き声。
「 シゲル!次の時間勝負しろ!!」
キバがシカマルの上に出現した。
て言うか、シカマルを押し潰している。呼吸大丈夫か?これ。
「とりあえずシカマルの上から降りろ。このままじゃ窒息してしまう」
無視されること覚悟で指示をしたら素直に降りてくれた。あれ?キバ案外いい子?
「降りたぞ、勝負しろ!!」
「答えはノーだ!」
「降りただろうか!!!」
まさかさっきのを交換条件とでも思ったのだろうか?
「ふふふ、キバくん甘いぜよ。世の中そんなにうまくはいかないのだよ」
と、上から目線で言ってみる。実際実年齢は10年上なのだから許されるはずだ。誰にとはきくな。
あ、キバが納得のいかない顔をしている。だがしかしオレは許可はしない。
「っはぁ!!なんだ!?死ぬかと思った!」
がばりと顔を勢い良く上げるシカマル。ようやく起きたか寝坊助さんめ。
「はよーシカマル」
「 シゲル……はよ…、さっきの衝撃なんだ?」
「キバがおまえの上に着地した衝撃だ」
「おいキバ」
「シゲルのせいだ」
「責任転嫁も甚だしすぎるぜキバくんよ。オレは別にシカマルの上に現れろと言ってなければ呼んでもいないのだからな」
「う…」
「キバ、シゲルに口で敵わないよ」
「オレの事は無視か」
「はいはいシカマル御愁傷様。次は外だから早く行くぞー」
「…ったく」
アカデミー生活、意外と有意義に楽しんでます。