短編

□仮面の下
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「汚らわしい化け物が」

「殺してしまえば良いのに」


老中の言葉と目の先には、政宗様とは逆の眼帯を付けた政宗様の双子の兄、政弥様がいる。

政弥様は一瞬悲しそうに、寂しそうな瞳をされたが俺を見て直ぐに妖しく笑う。


「コソコソとうるせぇなァ。黙れ。いまここでテメェ等を殺しても、俺はなんも言われねェんだ。殺してやろうかァ?」


低く、だけど艶のある声で政弥様は老中で言った。

すると、老中どもはどこかへ消えてしまった。


「政弥様!?」

「驚くな。馬鹿どもは少し退席してもらっただけだ。小十郎、こちらへおいで」


久しぶりに見たかもしれない。

政弥様の優しく微笑む姿を。
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