短編
□ありがと
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「いぃぃえぇぇぇぇやすぅぅぅう!! 貴様、政弥様に傷を付けるなんてなにを考えてる!!」
今にも襲いかかりそうな三成を、俺は三成の腕を咄嗟に抱き締めて三成を止める。
そんな俺を、三成は申し訳なさそうな顔をしながら俺の隣に座る。
家康を睨み付けているのは無視だ。
「すまぬ……まさか怪我するとは……」
「大丈夫ですよ。家康様、少し三成と二人にさせてはくれないでしょうか?」
俺が言うと、家康は笑顔で頷き部屋から出ていく。笑顔と言っても無理矢理笑顔にしてたから、ちょっと罪悪感があるな。
「三成」
「申し訳ありません! 勝手に動いてしまい、この命で謝罪を!」
「そんなことしないで良いよ」
向かい合わせにいる三成を優しく抱き締めると、俺は三成の背中に手を回す。
「死なないで……俺を一人にしないで。ゴメンね、三成。俺我が儘だから」
「……政弥様。私は貴方から絶対に離れません」
優しい三成。昔からずっと一緒にいてくれる。
そんな三成のことを、俺は愛してる。
俺と一緒にいてくれてありがと、三成。
(我が儘でゴメンね)