短編

□鎖
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「あっ、起きた?」


目を開けると知らない場所にいた。

薄暗く、目の前にいる人物の顔が見えるか見えないかぐらいの暗さだ。

顔や声からして、目の前の人物は猿飛佐助。政宗の好敵手の忍だったような気がする。


「ここは何処だ?」

「ここ? ここは俺様しか知らない拷問部屋。誰も助けには来ないと思うよ?」

「拷問部屋……? テメェ、なんのために俺を?」


チッ、手足に鎖が何重も繋がれている。重いし、なにか特殊の鎖なのかバサラが使えない。

俺の頬を撫でている猿飛佐助の顔を見ながら、俺は思ったことがある。

猿飛佐助の奴、こんな顔してたか? 狂気に染まった顔。


「俺様さ、初めて人を愛したんだ。でも初めてだから愛しかたが分からないまま日々を過ごしてたんだけど、もう限界。仲良く誰かと喋ってさ、そんなに俺様を狂わせたいわけ? 俺様政弥の事を愛してるんだ。どうして分かってくんないのかな?」


猿飛はニコニコと笑いながら俺に言っていた。
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