運命共同体

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瞬間的に場所が変わっていたり、怪我が治ったりと訳のわからない…と思っていたけどもっと理解できないことが起きた。

仗助君が康一君と私を後ろに押しやると、仗助君のそばに何かがいた。言葉では形容できない、化け物のようなもの。
でもソイツは仗助君を攻撃しようとはしない、むしろ前に立ちはだかっているようだ。どうしたものかと考えているとフェードアウトしていた視界が戻ってきた。今、壁を何か走った?

…目で追うと仗助君の声がした。
「たくさんいる」、とはなんのことだろう。ボンヤリ考えていたらパラパラパラ、という音の後に仗助君の手から血が流れていいる。それを見た瞬間ハッとした。

小さい兵隊の人形のようなものが自立し、動いてる。玩具にしては動きが自然すぎる…生きているようだ。そのうちの一人が何かを持ってこちらへ向けている。あれは…

「いッ痛ェ!…野郎!」

また仗助君が傷ついた。いや、勝手にじゃなくてその人形の持っている銃に撃たれたんだ。

傷は小さいのが複数ある程度で、大きさからか致命傷にはなっていない。パラシュートで降りてくる人形を仗助君の指示で化け物が薙ぎ払う。

「二、三体やっつけただけじゃダメージにはならねぇか…傷は小さいが破壊力は本物だ…こいつは闘うと大怪我は確実だな」

「仗助君…これはっ!?」

康一君が、流れを理解できないといったように声をあげる。だが仗助君はとにかくやばい、黙って奥へ行けと突き飛ばした。

小さい兵隊たちが何やら喋っている。億泰君がどうしたとか、「スタンド」がどうとか。人形たちは話し合って意見をまとめると一斉にこちらに向きかえる。


「撃てェーーーッ!!」

それの発する怒号に仗助君が反射的に反応した。私たちはとっさに部屋の中に滑り込む。

さっきから突き飛ばされたり滑り込んだり、服がボロボロになった気がする。


「やはりッ!まともに食らったら手足は吹っ飛ぶ破壊力だ…だがラッキーだ、窓があるッ!ここは二階だが窓をブチ破って飛び降りるぜ!美蘭、お前はこっち来い!」

肩をグッと抱かれた。本当に飛び降りる気なの!?まだ方法はあるんじゃないか、と提案しようとしたがそれどころじゃないらしい。
窓の方にはラジコンのヘリコプターもいる。

足元には…戦車?


「こっち見てッ!あぶないッ!」

康一君と私はほぼ同時に行動していた。私は仗助君を押し、康一君は仗助君を引っ張っていた。

「痛ッ!!」

ガキンッという音がしたのと同時に首のあたりで何かに強く小突かれたような痛みを感じた。石かなにかを投げつけられた…?
首をさすっても血はでていないらしい。足元で何か踏んだらしくガリッという音がした。多分石ころか何かだろう。


「戦車までいやがるのかッ!…美蘭、お前さっき撃たれなかったか?」

「え?まさか。どこもなんともないよ?」

仗助君がせわしなく私の体に怪我がないか見ているけど本当になんともない。すると一息おいてゆっくり話しかけてきた。

「…さっきお前ら、俺に危ねぇっつったよな…?この戦車やヘリが見えてるんだな?」

「う、うん…なんだかわけがわからないけど…見えてるよ〜っ」

康一君が返事をし、私はコクリと頷いた。すると、

「ほう!なったのか?チビ達はよォ」

先ほどまで聞いていた声。

「スタンド能力を出せるようになっていたのか?」

振り返ると、一度見たことのある男の姿。

「そこにいたんスか?億泰の兄貴」


仗助君が一歩前に出て相手を見据えた。
そうか、さっきの男は億泰君のお兄さんだったんだ!…あちらは随分余裕があるらしく壁に寄りかかっていて構えを見せない。

「勇気あるじゃんよぉ〜本体をさらすとはよォ〜!」

仗助君も壁に背を向け、右手をその陰に隠していた。その手に持っているのは…釘?スポッと抜けた瞬間、さっきの化け物が釘を投げつける。
億泰君のお兄さんに刺さる!と思ったがそれは空中で小さな兵隊たちに撃ち落された。

「我がバッド・カンパニーは鉄壁の守り…いかなる攻撃や侵入者だろうと生きては帰さん軍隊だ…」

「本体の俺をやっつけたいだろうが…フフフ、このカンパニーを超えてお前のクレイジー・ダイヤモンドの攻撃がこの俺に近づくことは決してないと言い切るッ!」


そう言うと小さな兵隊たち…バッド・カンパニーに指示を出し整列させた。


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