とある日常
□オリジナルキャラクターで童話集
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ユーリ:えっと…これと、これで…
せっせと花輪を作るユーリ。そこへ…
レイト:ねぇそこの君。さっき狼と何を話してたの?
ユーリ:俺がこれからお見舞いに行くって言ったら、手作りも持って行ったらいいって教えてくれたんだ。
レイト:へぇ…。でも、狼がそう言ったってことは、これから君がお見舞いに行く人は食べられてるかもよ?
ユーリ:そ、そんなことないよ!だって、食べないって言ってたし…
レイト:狼は嘘つきなんだ。だから、言葉を信用したらだめだよ。
ユーリ:……うん…
レイト:そうだ、君は誰のお見舞いに行くの?
ユーリ:二ーナの所。病気なんだって
レイト:じゃあ、俺がまず見てこようか。君は後から来た方がいいよ。
ユーリ:わかった。
レイトは二ーナの家に向かっていきました。
ユーリ:うーん…ルーイン…本当に人を襲ったことないのかな…。……わかんないなら、聞けばいいか。
ユーリは、出来た花輪をバスケットに入れ、森の奥にいるルーインの住みかまで歩いていきました。途中会ったガレンと言う狼に、住みかの場所を訪ねながら。
ルーイン:……くそっ…腹へったな…
ユーリ:ルーイン!
ルーイン:!?!?!?ユーリ!?
ユーリ:ちょっと聞きたいことがあってね。ルーイン…今まで誰も襲ったことはないの?
ルーイン:……一度だけ。体力が切れかけて…人間の血を啜ったことがある。でも、その一回だけだ。
ユーリ:……そっか…
ルーイン:ユーリ…話がそれだけなら、早々に出ていけ。俺は狼だ。理性では人を食うなと言っても、本能は食えと言っている。だから…(ここに近づくな)
ユーリ:…うん。
そうしてユーリは、複雑な心境で二ーナの家に向かうのだった。