Book

□イチゴ味〜ポッキーゲームのお話〜(刻遊刻・甘)
1ページ/2ページ

11月11日。1が並ぶ今日は「ポッキーの 日」と呼ばれている。

ちょうど日曜日である上にバイトもない ので、俺はさっきコンビニで買ってきた ポッキーを食べていた。椅子に座り、な んとなくテレビを見る。

俺は珍しく1人でいるこの時間は思いっ きりくつろいでやろうと思っていた。と いうのも、大神は桜チャンに誘われて買 い物、王子は釣り、遊騎は会社関係の用 事、平家もねーちゃんも来てない。クソ ネコも今日はいない。

こんなに静かな時間は、俺にとってひさ しぶりすぎる。よってこんな日くらいの んびりしていたかった。

しかし、そんな俺の至福の時間は終わり を告げる。

イチゴ味のポッキーをかじりながらテレ ビ画面を見つめていると、玄関から音が 聞こえきた。そしてリビングのドアの 音。

「あ、ただいま、よんばん」 「………オカエリ。遊騎」

いっそこのまま静かでいてくれよナ…

企画書のような書類を持ってそのままパ ソコンに向かおうとする。その時、遊騎 はふと足を止めた。


「それ……今日限定のにゃんまるポッキー やん!」

「へ……?」

改めて空き箱を見てみる。確かにピンク の箱のプリントにはにゃんまるの絵柄と ともに「本日限定!」と書かれていた。

「あれ……気づかなかった」

「それくれや!」

そう言って袋をひったくる遊騎。

「1本しか残っとらん…」

「そうだヨ……ソレ最後の1本!返せ!」

「いやや!」

「俺のだよ!」

「あ"……?」

「いえ……ナンデモナイデス」

また勝てないのか…… いい加減何かいい方法はないものか……

ふとテレビ画面に目をやる。すると、今 の状況にふさわしいであろう策を提示し てくれていた。

なるほど……これなら!
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ