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□冬っていいね(刻遊・甘)
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「ちょっと散歩行ってくるわ」

「わかった!いってらっしゃいなの だ!」

そう言って俺は今まで座ってた椅子から 立ち上がり、リビングを出た。なんせし ばらく座り続けていたのでなんともいえ ない疲れがたまってしまった。少し運動 すれば気分転換にもなるだろう。

11月下旬の今日は肌寒く、寒がりな俺 はマフラーを装備する。履き慣れたス ニーカーを履き、マフラーを巻くと、そ のまま渋谷荘の外に出た。

マフラーしてても寒いじゃねーかヨ……

「よんばーん!」

声がしたかと思うと、やはりその声の主 は俺の背後に駆け寄ってきた。

「遊騎……どうしたんだよ?」

「オレも散歩したいねん!」

「ハァ……わかったよ……」

逆らうとロクなことねーしナ……

ふと遊騎の服装を見てみる。

「お前……寒くねーの?」

彼は、Tシャツに薄手のパーカーというこ の季節にしては軽装備だった。

「平気やし!オレ、よんばんほど寒がり じゃあらへん」

「あっそ……じゃあ行こうか」

ホント、寒がりからすると考えられな い…。そんなことを思いつつ、俺たちは 歩き始めた。
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