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□冬っていいね(刻遊・甘)
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それから俺たちは、10分ほど歩き続け た。歩いてる間、遊騎は俺に話しかけた り、にゃんまるの歌を歌ったりしてい た。

そんな中、俺の脳内にはあることについ て考え始めるようになっていた。それ は、少し前から気付いてしまっていたあ ることについて。いつか言わなくてはい けないとは思っていたが、今現在二人き り……こんなに良い機会はない。

でも、こんなこと言ったら驚くだろう ナ……遊騎のことだし、気持ち悪いって 殴ってくる可能性も……いや待て!嫌われ るんじゃないか……?でも……

へくしゅん!

ん?

ふと遊騎のほうを見ると、彼は鼻をす すっている。

「……やっぱり寒いな」

「だから言ったのに……」

俺は首に巻き付けていた黒いマフラーを 遊騎の首に巻く。

「よんばん?」

「寒いんダロ?それ、お前がつけてろ よ」

「でも、よんばん寒くあらへんの?」

「………いいのっ!風邪でもひかれたら困 るんだヨ!」

そんな震えてるの黙ってみてらんねえ よ……

遊騎は何か難しそうな顔をしてこちらを 見たかと思うと、おもむろにパッと何か ひらめいたような表情を浮かべる。そし て、首に巻き付けたマフラーの端を俺の 首に巻き付けた。つまり、二人で一つの マフラーを巻いている状態だ。

「……こうすれば、よんばんもオレもあっ たかいし」

「え………あ…アリガトウ」

心臓持たねえヨ……
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