戦国BASARA

□【雷鳴】風魔小太郎
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『キャァッ…!!!!』


梅雨が明けてから
初めての雨。


雷鳴も雨と共に激しさを増し、
一向に鳴り止む気配がない。


昼間なのに暗い部屋に一人
ポツンと雷に耐える…。


『よりによって皆、
ほとんど出払ってるし…』


いつも誰かしら行き交う屋敷だけど
今日に限って家臣たちも主人である
松永様の所用について出ており、
留守になっていた。


━━ゴロゴロゴロ…


『あっ、また…!』


━━ドッカーン…


『キャーッ!もう…ヤだ…』


すぐ近くでの雷鳴に
思わずしゃがみこみ、耳を塞ぐ。


そんな時…
肩にそっと添えられる温かなもの。


恐る恐る顔を上げてみると
私と同じ視線に合わすように
しゃがむ風魔様が
肩に手を添えて下さっていた。


『風魔…様…。
どうしてこちらに?
松永様は?』


『……』


いつもの通り、
何も喋ることの無い風魔様。


━━ゴロゴロゴロゴロ…


『あっ、また…くるっ…!』


━━ドッカーーーン!!


『キャァァーーーっ!!!!!!』


思わず風魔様の胸に顔を伏せた。


そんな私をそっと引き寄せ
抱き締めて下さる。


『すみません…。
暫く…このままでもいいですか?』


見上げて尋ねてみる。


ほんの少しだけど風魔様の口角が
上がった気がした…。


そして…


無言のまま
見上げた私の目蓋に
落とされる優しい口づけ…。


それはすぐに離れていったけど
きっと了承して下さったお返事。


証拠に
私を抱き締める腕に
さっきよりも力が入ったから…。


『…ありがとう…ございます』


『……』



なんだか安心して
ほんのり温かくなる胸の内。


こんなふうなら…
雷も…悪くないな…。






ー終ー




*

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