戦国BASARA

□【夜長】石田三成
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夕刻、部屋を覗くと…
縁側の柱にもたれて座る三成様。


方膝を立て
もう片方の足はスラリと
伸びている。


そっとそっと近づいて
覗き見れば…


目を閉じていて
規則正しい息づかい。


眠ってる…?


普段からは想像すらできない
無防備なその姿に
釘付けになった私…。


夕日に照らされて
キラキラと光る銀髪。


切れ長の目元。


スッと通った鼻筋。


(三成様…)


心の内で呼びかけ、
そっと顔を近づけて
唇を重ねようとした瞬間、


秋の涼しい風が
三成様の長い前髪をさらりと
揺らした。


あと少しで触れ合う距離で
止まったと同時に
ハッと我に返った私。


『…そこで止めるのか?』


『……!!??』


目を閉じたまま
言葉を発する三成様。


てっきり眠っているとばかり
思っていたのに…。


間近にある切れ長の目が開き、
私を捕らえる…。


『俺に仕掛けるとは…な』


三成様はフッと笑い
唇を重ねてきた。


そのとても甘い口付けに
身体中、痺れが駆け抜ける…。


『秋の夜は…長いぞ?』


『三成様…』


そっと胸元へ引き寄せられ…
そのまま三成様の温もりの中へ
身を委ねた。




ー終ー






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