ナギとその仲間達☆
□† 百花繚乱雨霰
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○○
『ゴホッ、ゴホッ…』
ナギ
『…風邪か?』
○○
『…うーん…少しね。でも、熱は無いから大丈夫だよ』
晩飯後の片付け中での会話。
軽い風邪という○○に、今日は早く休め、と言った次の日の朝ーーー。
ナギ
『…8度7分…。あちぃな…』
体温計の示す数字は○○の体温。
額に手を当てると、あらためて熱の高さを感じる。
○○
『…ゴホッ、…ナギ、ごめんなさい…。今朝は…歩に行けなくて…ゴホッ、ゴホッ…』
顔を真っ赤にしながら言う○○。
ナギ
『…たく、ンなこと気にすんな。とにかく今は安静にして、ゆっくり休め』
○○
『うん。…治ったらまた一緒に歩こうね』
元親
『○○は俺が看ててやっからよ』
ナギ
『…あぁ。すまねぇな。とりあえず、もう着替えちまってるし、今朝は俺だけ行ってくる』
○○
『行ってらっしゃい。…気をつけてね』
ナギ
『…じゃあな』
発熱で火照る額に軽く口づけ、○○の部屋を後にした。
最初は○○一人で始めたウォーキング。
そんな○○を送り出すだけだった俺。
歩くコースは朝早ぇと、人通りが少ない
。ンな中、○○一人だけだと心配してたのもあり…ついて出るように…。
ジャージの上衣を羽織り、靴紐を締める。
ナギ
『…よし、行くか』
ガチャッ、とドアを開け、表に続く道を歩き始めてすぐーーー
半兵衛
『…今朝は僕が付き合うよ』
背後から掛かった声に振り返る。
ナギ
『…半兵衛』
普段、見ることのないジャージ姿の竹中半兵衛。スラリとしたいでたちで、ドア横にもたれて立っていた。
半兵衛
『○○、風邪ひいちゃったんだってね』
ナギ
『…あぁ。熱が高くてな』
半兵衛
『…一人じゃ淋しいだろうと思ってさ。今日は僕が…ね』
ナギ
『…別に淋しくねーけど…ま、たまにはいいか…。…行くぞ』
俺の横に並び、歩き出す半兵衛。
半兵衛
『うーん、…早朝は空気が綺麗だね。今日もいい天気になりそうだ』
ナギ
『あぁ。…そうだな』
だんだん明るくなる空を見上げ、冷たい空気を吸い込む。
ナギ
『…つーか、』
半兵衛
『ん?…何だい?』
ナギ
『…紫色のジャージって…あんだな』
半兵衛のカラーである紫。その鮮やかな紫色がやたら朝日に映えた。
半兵衛
『ふふっ。…これは僕に合わせて作られた特注品だよ。…ほら、ここには豊臣の家紋まで入ってる』
そう言いながら、ズボンのウエスト辺りをチラリと見せる半兵衛。
ナギ
『……さすがだな』
半兵衛
『僕を纏っている全ての物には豊臣の家紋が施されているんだよ。…ナギの前なら…全てさらけ出しても…構わないけど?』
ふふ、と怪しい笑みを浮かべながら、片側だけ、ズボンを腰下まで下ろし、履いている紐パンらしき纏いに指を引っ掛ける。
ナギ
『…ッ、たく、バカヤロッ!////今は外だぞ!』
半兵衛
『…なら、…帰ってからなら…いいのかい?』
ナギ
『今も帰ってからも、ダメだっつの!////』
半兵衛
『…それは残念だな』
ナギ
『たく、バカやってねーで、行くぞ』
半兵衛
『はいはい』
川沿いを半兵衛と二人歩く。
半兵衛
『歩く時はバンダナはしないんだね』
ナギ
『あぁ。その代わり、…コイツが欠かせねぇ』
首に巻いているタオルを指差す。
半兵衛
『…いいね』
ナギ
『あ?』
半兵衛
『…やっぱり、キミはいい男だ』
ナギ
『あ?何だよ、急に…』
半兵衛
『その歩くたびにサラサラとなびく髪の毛を見ていると…めちゃくちゃに…してほしくなるよ…』
ナギ
『…/////…い、意味わかんねーぞ…』
半兵衛
『…ふふ。嘘ばっかり…』
ナギ
『たく…/////…早くついてこねぇと、置いてくぞ!』
半兵衛
『あぁ、ナギ、待ってよ』
その後も、半兵衛からアレコレと誘惑を受けながら歩き続けること、数分ーー。
片倉のおっさんが手掛ける農園近くにさしかかった。
半兵衛
『ん?ここは…片倉くんの農園かい?』
ナギ
『あぁ。そうだ』
半兵衛
『相変わらず、様々な野菜達が豊作のようだね』
ナギ
『…おっさん、愛情かけまくりだからな』
…と、
小十郎
『ナギーーー!』
どこからか名前を呼ばれ、声のした方を捜す。
ナギ
『…おっさん』
畑の真ん中で、農園の主である片倉小十郎こと、おっさんが、引き抜きたての泥だらけの大根を手に立っていた。
小十郎
『…ん?…○○が居ねぇな?今日はどうしたんだ?』
ナギ
『あぁ。熱出しちまってな…今日は休みだ』
小十郎
『…で?代わりに…アイツか…』
チラリと視線を半兵衛に向けるおっさん。
半兵衛
『おはよ、片倉くん。今日も精が出るね。精かぁ…。僕に出して欲しいかも…かな』
小十郎
『あ?精?』
ナギ
『…おっさん、気にすんな////』
小十郎
『…で?半兵衛。こんな朝早くからウォーキングとは…また不自然だな。お前の狙いはなんだ?』
半兵衛
『狙い?…ふふ。失礼だね。まぁ…そうだな…強いて言うなら…ナギ…かな』
ナギ
『ぶはっ////』
小十郎
『ははっ!ナギ、…えらく惚れられちまったもんだな』
半兵衛
『ところで、片倉くん。ここではコンニャクはあるかい?』
小十郎
『あ?…あぁ、あるぜ?自慢のコンニャク芋から作った絶品がな!!』
半兵衛
『なら、少し分けてくれないかい?』
小十郎
『あぁ、構わねぇよ。お安い御用だ!コンニャク、好きなのか?』
半兵衛
『ふふ。…大好きだよ。あの感触が…とても…ね』
小十郎
『良い芋使ってるから、かなりの弾力だぜ?平気か?』
半兵衛
『最高のコンニャクだね。戯れにぴったりだ』
小十郎
『…あ?戯れ?』
半兵衛
『いや、こっちのことだよ。ね?ナギ?』
ナギ
『ぶっ…///…俺に振るな////』
小十郎
『何だかよくわからねぇが…また帰りにこの道通んだろ?それまでに用意しといてやる』
半兵衛
『…ありがと、片倉くん。恩に着るよ』
ナギ
『じゃあな、おっさん。…また後で』
続く…。
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