ナギとその仲間達☆
□† happiness
1ページ/3ページ
『はぁぁ…何も閃かねぇ…』
澄みきった空を仰いでの独り言。
つーか…心の声、ダダ漏れじゃねーかよ…。情けねぇ…。
今日はアイツの誕生日だっつーのに…俺は何をしたらいい?
何をしたらアイツは喜ぶ…?
『…ヤベェな…』
富嶽を降り、海岸線に沿って生えた草の上に寝転がり、独り悶々と考え事ーーー。
『何だ…?シケた面しやがって…』
『あぁ、…お前さんか…』
寝転ぶ俺の顔を覗き込むそいつは仲間のナギ。
釣りに行くのか、道具一式を持っている。
『…つーか、珍しいな。お前が溜め息なんて…』
『たく、無礼な野郎だな。俺様だって考え事ぐらいするってんだよ』
『へぇ…?…で?何を考えてんだ?』
そう言って、ナギは俺の隣りに腰をおろす。
『今日は…アイツの誕生日でよ…』
『なお…か?』
『あぁ。でもどうしてやったらいいのか…何も浮かばなくてよ…』
『……いらねんじゃね?』
『…あ?』
『何もいらねぇんじゃねぇの?』
『何でだ?』
『普段のアイツの姿思い出して
みろよ…。お前の後、ずっとついてってよ…。あの顔、幸せそうじゃねぇか』
『……?』
『まだわかんねぇのかよ…。たく、鈍い野郎だな。なおはお前が側に居るだけでいいんじゃねぇのか?ってことだ』
『俺が…居るだけで…か?』
『あぁ。つーか…ほら、晩飯の魚釣りに行くぞ!誕生日なら鯛でも釣ってやれよ。美味く料理してやっから』
ナギは立ち上がると釣竿片手にスタスタ歩いて行った。
『鯛か…』
起き上がり、重い腰を上げようとした時、ふと手元に目が止まった。
『…⁉︎ コイツは…』
続く…
✳︎