ナギとその仲間達☆

□† happiness
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『はぁぁ…何も閃かねぇ…』


澄みきった空を仰いでの独り言。


つーか…心の声、ダダ漏れじゃねーかよ…。情けねぇ…。


今日はアイツの誕生日だっつーのに…俺は何をしたらいい?


何をしたらアイツは喜ぶ…?


『…ヤベェな…』


富嶽を降り、海岸線に沿って生えた草の上に寝転がり、独り悶々と考え事ーーー。


『何だ…?シケた面しやがって…』


『あぁ、…お前さんか…』


寝転ぶ俺の顔を覗き込むそいつは仲間のナギ。


釣りに行くのか、道具一式を持っている。


『…つーか、珍しいな。お前が溜め息なんて…』


『たく、無礼な野郎だな。俺様だって考え事ぐらいするってんだよ』


『へぇ…?…で?何を考えてんだ?』


そう言って、ナギは俺の隣りに腰をおろす。


『今日は…アイツの誕生日でよ…』


『なお…か?』


『あぁ。でもどうしてやったらいいのか…何も浮かばなくてよ…』


『……いらねんじゃね?』


『…あ?』


『何もいらねぇんじゃねぇの?』


『何でだ?』


『普段のアイツの姿思い出して
みろよ…。お前の後、ずっとついてってよ…。あの顔、幸せそうじゃねぇか』


『……?』


『まだわかんねぇのかよ…。たく、鈍い野郎だな。なおはお前が側に居るだけでいいんじゃねぇのか?ってことだ』


『俺が…居るだけで…か?』


『あぁ。つーか…ほら、晩飯の魚釣りに行くぞ!誕生日なら鯛でも釣ってやれよ。美味く料理してやっから』


ナギは立ち上がると釣竿片手にスタスタ歩いて行った。


『鯛か…』


起き上がり、重い腰を上げようとした時、ふと手元に目が止まった。


『…⁉︎ コイツは…』





続く…



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