ナギとその仲間達☆
□† happiness
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『わぁぁ!すごいっ!これ…全部ナギさんが?』
目の前にある鯛の尾頭付き刺身の舟盛りに歓声をあげるなお。
『あぁ。さばいたのはな。釣ったのは元親だ』
『えっ?元親さんが?スゴいですね!』
『おうよ!この西海の鬼たる俺様に釣れねぇ魚は無ェってもんよ!』
『…たく。調子のいいヤツだな…。さっきまでシケ面してやがったのはどこの誰だ?』
『え?ナギさん?どうかしましたか?』
『ハハハっ!何もねぇよ!…ナ、ナギっ、何言ってやがるっ!』
俺は軽くナギを睨んだ。
ナギはそんな事お構いなしの様子。フッと軽く笑ってキッチンへ入っていった。
『……?変なの…。ふふっ』
不思議そうに首を傾げるなお。
『なお、今日は誕生日だな。…おめでとな』
『……覚えてて…くれたんですか…?』
見開いた目で俺を見つめてくる。
『あったりメェだろ…』
俺はなおの頭をそっと撫でた。
『嬉しい…』
恥ずかしそうに俯く姿に愛しさが込み上げてくる…。
『ほら、スープもあっから…冷めねぇうちに食えよ…』
『はい…!』
なおの誕生日を祝う夕食。
『うーんっ!美味しーいっ♪お刺身、口の中でとろけちゃいますね♪はぁぁ…スープも最高…♪私、今、スゴく幸せだな…。ありがとうございます!』
ペコリと頭を下げるなお。
『まだこれで終わりじゃねぇよ』
『えっ?』
ナギがキッチンの奥から運んできたもの…。
それは…
『ナギさん…これって…』
『俺からのプレゼントだ。誕生日、おめでと…な』
『ありがとうございます…。ナギさんの手作りですか?』
『あぁ。もちろんだ』
『よかったな、なお!こんないい男二人に祝ってもらえてよ!』
『ふふ。本当ですね!』
***
夕食・ケーキも食べ終わり、片付けながら…スッと隣に寄ってきたナギ。
『元親…。ここはいい…。…連れ出してやれ…』
『ナギ…』
『ほら、行け…』
『…すまねぇな!ありがとよ!』
ナギの好意にあやかり、俺はなおを外へと連れ出した。
続く…
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