アラロス

□A demand pay
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アイリーンは今この上なく幸せだ。

愛する男、カーティスに抱きしめられ、

そして自分もカーティスを大切そうに抱きしめる。

暖かく大きなカーティスの手。

細く広い肩。

月光に照らされた自分にしか見せない優しい表情…

全てが愛おしく

全てが幸せ。

「プリンセス…
本当にいいんですか?
私のこんな我が儘を…」

上から降ってくる愛おしい声。
それはどこか不安げで、いつも余裕のあるカーティスらしくないその声。

「いいのよ。
私が望んでいるの。
気にしないで。
それどころか、幸せだわ。」

そう微笑むアイリーンの笑顔を見て、優しく口付ける。
アイリーンはこのカーティスの優しく奪うようなキスが好きで、好きで。

カーティスもまたそんなアイリーンの自分を受け入れてくれるようなキスとキスに翻弄され、頬が紅潮し、涙目になるアイリーンの姿が好きで、好きで。

唇を離すとアイリーンはカーティスの肩に顔を預けた。

「ねぇ、カーティス…?」

「何ですか、プリンセス?」
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