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□似た者同士
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「マリアンさん、ありがとう…大好き。」

スリスリとマリアンの胸へと頬をすりつけるとどういたしまして、といつもより優しい響きの残る声で囁かれ、私の髪を弄ぶかの様に長い髪に指を通していく。
ゆっくりと顔を上げると彼女と視線があい、互いに小さく笑いあっていると遠くから聞きなれない音がすると思っていたら…凄い勢いでドアは開かれていて。
そこに立っていたクラウスの表情たるや…言葉に出来ない。

「マリアン…何をしている?アンジェラから聞いて来てみたら…どういう事だ?」

どんよりとした空気を纏うクラウスとは対極的に楽しそうに笑うマリアン。そしてその彼女の上に座る困惑顔の私。きっと他の人が見たらとても可笑しな様子だろう

「どうもこうもないわ、ねぇミノリ。二人の内緒だもの…あんたには教えてあげない。」

にんまりと笑みを浮かべるマリアンを見やると彼女は耳元で彼に聞こえない位小さな声で後でまた色々お話にいらっしゃい、と言い私は彼女の膝の上から下ろされる。
いきなりの事でアワアワと現状の把握をしようとするものの…とても圧迫感を感じさせる様なクラウスの笑顔と鋭く光る眼光で見つめられ名前を呼ばれてしまえば逆らう訳にもいかず…彼に手を引かれ診察室を出る前にマリアンへと視線を送ると彼女はいつもの笑顔で手を振ってくれていた。



***



 いつもなら歩幅を合わせて歩いてくれるクラウスが自らの歩幅で歩みを進めるものだから私は掴まれている右腕に引っ張られる形になりながら、彼の少し後ろを小走りしないと追いつく事が出来なくて。彼越しに見える景色は見慣れた物と少し変わって見える。
目的地であろう彼の家へと到着したものの…彼は私の右腕を離してはくれなくて
少し強めに握られた私の腕に走るわずかな痛みが何故か、嬉しい
ぼんやりと考えているうちにクラウスは私の腕を離し…ひょいと私を抱える。抱きあげると言うには雑で私は彼の肩に担がれる様な形で運ばれてしまう

「…ひゃ、クラウス……落ちちゃう…重いから下ろして…!」

あまりの視線の高さに恐怖し彼の服を掴んではみたものの恐怖心は抜ける事無く…あぁ、と紡がれた彼の声はいつもよりも幾分か低く響き私は彼のベッドへと下ろされる。
そこから見る彼の姿はオオカミそのもので、タイを緩めながら先程まで掴まれうっすら紅く染まった手首にキスを落とす彼に目を奪われる他なかった

「俺以外見れなくなるまで……躾てやるから喜べよ、ミノリ」




***


この辺りで頭パーンしたので…色々中途半端だがすまん、限界だ
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