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□世界で一番頑張ってる君に。
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眠い目を擦り、ペンを持ち直した。
最近、勉強ばかりだ。
恋人の銀時にも会えていない。
只今、深夜一時。
プリントに映る文字が呪文のように見えたその時、電話が鳴った。
「よー。千鶴か?」
「あ......銀時か」
「今、何してんの?」
「勉強」
「あのな、銀さんもそろそろ寂しくなってきたんだけど」
「......ごめんね」
謝ると、沈黙。
数秒の後、ため息が聞こえた。
「駄目。ひじょーに駄目だな、お前」
「え? どう言う意味?」
「今から行くから。鍵、開けとけよ」
こんな深夜に私の愛しい恋人は、罵倒してから訪問して来るらしい。
思わず、ペンを握る強さが強くなる。
涙も出てきた。
そんな言い方、無いじゃんよ。