Story

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熱のせいで潤んでる瞳。
紅潮した頬。





そんな目でそんなこと言われたら、








「良いよ」








って答えるしかないじゃん。









「……//!





あ、
ありがとうございます……//」










「行こう?」









そう言って、
裾を掴んでる手を握ってゆっくりオフィスに戻る。









「え、」








振り返ってドアを見ると、






『使用禁止』









と書かれた紙が貼られてた。





隣には可愛いウサギの絵が書かれてる。










あっちゃん、ありがとう。






心の中でそう呟いて、
紙を剥がしポケットにしまい込む。








「おかえり」







すれ違う瞬間あたし達にだけ聞こえるように言ってくれる社長。







「ただいま戻りました」






デスクに戻ると目の前のあっちゃんが嬉しそうに微笑んでる







「おかえり」








「ただいま」








「優子、
今日奢りだからね?」









「え、今日?」







「ん?
なんかあるの?」








「え、
イヤーその……」








チラッと小嶋さんに視線を送ると、





「あぁ〜




なるほど。
あたしをのけ者にするんだ〜?



へーそっかそっかー」







「え、
ちがうちがう!




そんなんじゃないよ!



ただ」






「たーだー?」








にやにやしながら聞いてくるあっちゃん。










「小嶋さんの、







看病って云うか、
様子見って云うか………」








「ふーん




そうなんだ〜



あーぁー、
あたし寂しいなぁー」









嬉しそうにあたし達に言うあっちゃん。





赤面する小嶋さんとあたし。









「じゃあ前田、
あたしに付き合ってくれないか///?」









「へ?」








間抜けな声を出して振り返るあっちゃん。








「しゃ、社長……///」











なんだよ!なんだよ!





二人して顔染めちゃって!
大島さん嬉しいじゃんかよ〜








「えと、



あたしで宜しいんでしょうか?」








「前田じゃなきゃ誘わない」








「っ……////!!」









「今日いけるか?//」







「は、はい……//」








社長が出ていって、
顔を真っ赤にして放心状態のあっちゃん。





「良かったね〜」








「煩い〜//」









「じゃあ、
大島さんはもう知りませーん」







「あ、
ごめんごめん」






「ふーんだ」








「優子ごめんね?」








可愛く首を傾げて謝るあっちゃん。







「あは、




仕方無いなー
可愛いから許しちゃう」








「へへー
ありがとう。」











そんな感じであっちゃんと仲良くバソコン越しに話してると、







「!!//」








そっぽを向きながらあたしの手を握ってくる小嶋さん。








見えてる耳は真っ赤。






何も言わず強く優しく握り返す。






なんとも言えないあたし達の関係。





気づかないふりをして、
今日もあなたとの距離を縮める。
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