Story

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「あー!やっちゃったよー!」







「なんだよ優子
声荒げちゃって」










「やっちまったんだよ〜……」










「だから何をだよ?」










「さっき来たナースのお姉ちゃん居たじゃん?」








「あー居たなぁ‥‥‥
私と身長変わんない位の綺麗な人だろ?」










「そーそー!」










「で、その人がどうかしたの?」










「その人がって言うか、
私がって感じなんだけど…………」










「何?また例の癖?」







「そーなんだよぉ……」










「はぁ、またかよ………





これで何回目よ?
その重度の人見知りと生真面目ちゃんは?」









「うー分かんない………






でも………」









「でも?」







「こんな後悔してるのは初めて。」






「うっそ!



教授に自信満々のレポートをみんなの前でボロっかす言われたよりも?」







「あーそんなことも有ったね………」





自分でも不思議だ。
なんせ折角振ってくれた会話を無下にした後のあの拗ねた表情とか、
患者さんへの優しい笑顔とか、
あの人が見せる表情には何故か脈を打つ。
今まで人に興味なんてなかったのに。








「って何ニヤニヤしてんのさ?」






「いいやー別にー」








「別にーとか言いながらニヤニヤすんなよー




変な才加だなー」









「そーだなぁー」









ほんとは知ってる才加がニヤニヤしてる理由を。
喜んでくれてるんだよね?
人に興味を持ったことを。








なんかお互いニヤニヤしだした時、








バンッ!!!!




ドアが勢いよく開く。





「優子!才加!




この病院可愛いナースばっかたよ!」





「…………はぁ〜」









「え、え、何?
その反応?
嬉しくないの?」










「はいはい嬉しい嬉しい」









「ほんと呑気だよなぁ」







「ほんとほんと


流石女ったらし」








「は?なんだと優子ー!」












人との関係を築くのが苦手な私の研修生活の始まり。
あの人とは築けるかな?
難しいかも知れないけど、
少しずつ少しずつ。
ね?

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