Story

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「ただいま戻りました…………」








「おかえり〜




ってニャロどしたの?
そんな不機嫌オーラムンムンで」








「別にー………」







「篠田が当ててあげよっか?」








「…………」









「大島先生でしょ?」








まさか当てられるとは思わず、
体が反応してしまう。






「いぇーい当たった〜」







なんてニヤニヤしながら喜んでる婦長の麻里ちゃん。







「むー」







「まぁまぁそんなに拗ねないでやってよ」







「違うもん今は麻里ちゃんに拗ねてるんだもん。







ってなんでおーしませんせーの事庇うのー?」








「お、まさかの篠田に味方して欲しか…………




すいません
ふざけました」




麻里ちゃんが余りにもヘラヘラニヤニヤしてるから睨み付けて黙らせた。




「よろしい。






で、なんで?」









「あーそれは………」









「すいません………」








ふいに後ろからナースステーションに向けての呼び掛けが聞こえ、
振り向く。





「あ、」






そこには、








「お、ゆっぴー
やっほー」







固まってる陽菜達を余所にひらひら手を振る麻里ちゃん。








「おーいゆっぴー?
何固まってんの?




って、ニャロも。」








あ、
ニヤニヤしてる。
わざと陽菜に声かけてきたんだ。






「あ、そ、そう。」






って焦ったように手に持っていたファイルを麻里ちゃんにジト目を使っていた陽菜に差し出す。









「はい。」








「え、何?」








「これ落としてたよ」








そう言われて渡されたのはさっき血圧検査をした人のカルテだった。






慌てて自分のものと見比べる。







「あ、ほんとだ………



あ、ありがとうございます。」





「いいえ………」










手渡される瞬間さっきの素っ気ない偉そうな態度を想いだし、
奪い取るようにファイルを貰った。






「あ、」







ふと我に返り慌てて頭をさげ、
逃げるようにナースステーションを出た。







一瞬おーしませんせーの顔が寂しそうだったのは気のせい………?






「もー陽菜のバカ………」














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