Story
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気まずい雰囲気になってから数日が経ったある日、ナースステーションでデスクワークをしていた時のこと。
「ママーっ!どおーこー!」
泣いてるような叫んでるような声がした。きっと迷子だろう。と椅子から立ち手にあったペンを置いて、子供の所へ行ったら陽菜よりさきに子供の側にしゃがんでいる小さな背中があった。
「どーしたの?
お母さんとはぐれちゃった?」
って優しく頭を撫でながら話しかける、その人。
泣きながら小さな子供は頷いて、それにニッコリと微笑んでその人は、手をとり近くにあった長椅子に座り、
「よし、じゃあここでお母さんのこと待ってよっか。」
って優しく言う。
その優しい微笑みに安心したのか、その子も笑顔になった。顔を近づけ笑い合いながら話始めた。
「お名前は?」
とか
「何歳?」
とか
「ほら、これ聴診器って言うんだよ。」
って興味を引き付けるような話し方で子供のお母さんが来るのを待っていた。
そんな光景に見いっていてある人物の存在に気付かなかった。
「ストーカー中ですかー?
にゃーろさん」
「!!!!
ま、麻里子!!いつからそこに居たの?」
「んー?
子供の泣いてるような声がした時位?」
最初っからじゃん!!
「いやー恋する乙女みたいだねー。」
なんてニヤニヤしながら陽菜のことをみる麻里子。
どうこの場を切り抜けよーか考えていると、
「おねーちゃんありがとー!」
「いいえー
もうはぐれちゃダメだよー!」
って会話が聞こえて、
「あ、麻里ちゃん。」
って麻里子の存在に気づいてこっちに近づいてくる人。
麻里子をチラッと見上げると案の定ニヤニヤしてて、はめられたということによおやっと気付いた。
「え、あ、小嶋、さん…………」
どうやら陽菜に気づいてなかったみたいで、それもそのはず。あの日と違って今日、陽菜は髪をくくってるから。
「あ、篠田よーじがあったんだー」
って棒読みで立ち去っていく麻里子。
どうしよ………
今物凄く気まずいんだけど……。
♪♪♪♪♪〜
突然携帯に着信が入る。
『you素直になっちゃいなよー(*`ω‘)』
って書かれていて、なんか素直に納得した自分が居て。
「おーしませんせー」
「は、はい!!!」
「この前は失礼しました」
ってあっさり出て、いやにすっきりした。
「!!!!
いえ、私こそすいませんでした。」
優しく微笑んでくれた。
その笑顔に何故か胸がきゅんってした気がする。
それからさっきの子供の話になって、嬉しそうにしてるからこっちもうれしくて。
あーこの雰囲気好きだなーって柄にもなく思ったりした。
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