Story
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血圧計見ながら作業する大島せんせーの眼差しは格好良い。
そう思ってるのは、私だけじゃないらしく、女子高育ちのこの子なんかほら。
もう頬っぺた紅くして見惚れちゃってる訳で。
口なんか半開きでなんだろうものすごくイケない表情になってる。
きっとこの子は大島せんせーの事好きなんだろうな。
って思った。
でも譲れないって勝手に思った。
-----あれ?私って大島せんせーが好きなの?
心の中に生まれた疑問。
解決の仕方がわからない疑問。
「…さん?…こ…さん?
…………小嶋さん!」
「あ、っはい!
っ…………////」
名前を呼ばれて俯いてた顔を少しだけ上げると、背伸びして私の顔を心配そうに覗き込む大島せんせーの顔が近くにあった。
凄く近くに………………
顔に熱が集中するのが分かるんだけど、視線を逸らせなくて。
逸らしたくなくて。
----好き………
そう思った。
そう感じた。
どうしよう。
私大島せんせーが好きみたい。
「ほんとに大丈夫?
ずっーと俯いてるし、
顔も紅いし。
体調悪いなら無理しないでよ?
あたし一人で回るから。」
そう言って心配そうに八の字眉毛をより一層下げる。
「大丈夫ですよ
ちょっと考えてただけなので。
すいません」
「あ、そうなんだ!
大丈夫大丈夫!
気にしてないよ
じゃあ、隣の部屋行こうか?」
そう言ってルンルンしながらドアへと向かう大島せんせー。
その後を着いて行こうとした時、
「負けない……………」
ボソッと声が聞こえた。
振り返ると、私を睨み付ける女子高育ちの患者さん。
どうやらこの子、大島せんせーに本気みたい。
私だって、
「渡さないよ」
「ムカつく……」
「知ってる」
「おーい、小嶋さーん?」
「今いきまーす」
大島せんせーの元へ行き、ドアを閉め隣の部屋へ向かう。
「河西さんと仲良しなの?」
「いえ、違います
今日からライバルになっただけです」
「へ?」
、