Story

□9
1ページ/1ページ

血圧計見ながら作業する大島せんせーの眼差しは格好良い。





そう思ってるのは、私だけじゃないらしく、女子高育ちのこの子なんかほら。
もう頬っぺた紅くして見惚れちゃってる訳で。
口なんか半開きでなんだろうものすごくイケない表情になってる。







きっとこの子は大島せんせーの事好きなんだろうな。
って思った。
でも譲れないって勝手に思った。











-----あれ?私って大島せんせーが好きなの?










心の中に生まれた疑問。
解決の仕方がわからない疑問。











「…さん?…こ…さん?







…………小嶋さん!」








「あ、っはい!




っ…………////」







名前を呼ばれて俯いてた顔を少しだけ上げると、背伸びして私の顔を心配そうに覗き込む大島せんせーの顔が近くにあった。






凄く近くに………………









顔に熱が集中するのが分かるんだけど、視線を逸らせなくて。
逸らしたくなくて。









----好き………










そう思った。
そう感じた。









どうしよう。
私大島せんせーが好きみたい。






「ほんとに大丈夫?


ずっーと俯いてるし、
顔も紅いし。


体調悪いなら無理しないでよ?
あたし一人で回るから。」






そう言って心配そうに八の字眉毛をより一層下げる。






「大丈夫ですよ


ちょっと考えてただけなので。
すいません」





「あ、そうなんだ!
大丈夫大丈夫!
気にしてないよ



じゃあ、隣の部屋行こうか?」




そう言ってルンルンしながらドアへと向かう大島せんせー。




その後を着いて行こうとした時、









「負けない……………」









ボソッと声が聞こえた。







振り返ると、私を睨み付ける女子高育ちの患者さん。








どうやらこの子、大島せんせーに本気みたい。









私だって、








「渡さないよ」









「ムカつく……」







「知ってる」








「おーい、小嶋さーん?」




「今いきまーす」






大島せんせーの元へ行き、ドアを閉め隣の部屋へ向かう。







「河西さんと仲良しなの?」




「いえ、違います




今日からライバルになっただけです」







「へ?」















[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ