Story

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5月。
温かいのと寒いのが入り混じるこの時期。








隣の小嶋さんがしんどそうにしている。
それが気になって仕方無いあたし。










「小嶋さん大丈夫?」








「なんかぼっ〜とします………」









「無理しないで今日は帰りなよ」









「いやです。






私のせいで誰かに負担がいくのは。」









そう。
今小嶋さんが抜けたら、
仕事は全部あたしに乗っかってくる。






先輩なんだから少しは頼ってほしい。








「そんなこと気にしないで良いから帰りなよ?





ね?」










「いやです」












これまたきっぱり言われる。






無理しないでほしいから言ってるのに………









「良いから帰りなよ!」








「いやです!




迷惑かけたくないです!」










「居ることのが迷惑だよ!



誰かに移ったらどーすんのさ?」








「っ…………」









ヤバい言い過ぎた






そう思った時にはもう遅かった。








「わかりました!



帰ります!」







傷つけちゃった……





怒った小嶋さんは持っていた資料を机に叩きつけ、
オフィスをでた。








目に涙を溜めながら………













「バカ優子!」










後ろから聞こえる声と、
走りすぎてく声の主。










やっちゃった………
そう思い机に項垂れていると











「優子〜





なんか前田が凄い形相で走ってたけど
なんかあったんか〜?」










ヘラヘラしている声とは対照的な真剣な眼差し。











腹を括り全てを話す。










「それはキツいわ…






優子に言われたら……」









「でも、



あたしは………!」、










「うん。
分かってる




にゃんにゃんのことを思って言ってくれたんやろ?」









「うん。」








「ありがとう」









「え?





なんでありがとう?」








「ん?





そりゃあ、
今までにゃんにゃんのことそうやって心配してくれた人は居ないから……




だから

ありがとう」






「あたしはそう言って貰う資格ないよ………」








「そう思うなら、




今すぐ側に行ってやってくれん?」








「え?」








「あたしや前田が側に居るより、





優子のが安心やろうから。」








「なんであたし?」








「今弱ってる時、





側に居てほしい人って
自分が大事だと思う人やと思うんよ。





だから、

優子に行ってほしい。





きっと優子のこと待ってるから。」







そう言われた瞬間体が勝手に動き出していた。
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