魔法少女☆magi

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「……で、誰なんだその馬鹿女」

『馬鹿女ってなによ寧ろあんたの方が誰』

「お前良いのは顔とスタイルだけだな」

『あんたなんか顔だけじゃん』

「…っこの馬鹿女!」

『うるさい金髪野郎!!』


さっきからずっとこの私達は調子 アラジンが困っておろおろしてるのは分かってるけど……こいつムカつくんだもん!


「あ、あの喧嘩はやめておく…」

「お前なんか俺が“世界一金を持ってる男″になっても助けてやんねえからな!」

『はあ?世界一金を持ってる男?……はっ、なにそればっか見たい』

「くそ…っ見てろ!いつか“迷宮攻略″して何にも逆らえなくしてやる……!」


迷宮攻略ってなに?とアラジンと声を揃えて聞くとそんなのも知らねーのかよやっぱりお前馬鹿だなと言ってきたので一発殴ってやった

暴力女!と言ったからもう一発殴ってやろうかと思ったけど迷宮攻略の話を真剣にし始めたのでやめた あたしもちょっと気になってたしね


「へー……」

「聞くだけ聞いて…なんて嫌なガキなんだ…」

『ちょ、アラジン鼻ほじるな』

「はーい」

「そうだな…あと美味い飯とかも食えるぞ」

「わあ!美味しいご飯!?」

『私も美味しいご飯食べたい!』

「あと綺麗な女だな!こんな馬鹿で暴力女と違って優しいぜ!」

「わあ、綺麗なおねえさん!……あ、なまえちゃんは優しくて綺麗だよ?」

『殺す絶対お前殺す。アラジン天使』


すると金髪野郎は見事に私を無視してぐちゃぐちゃだの入れるだのアラジンに説明してたから後ろから飛び蹴りした


「いってええええ危ねえだろ!」

『うっさい!アラジンになんて事教えてんのよ!!』


こんなやりとりをしてると可愛らしい親子にくすくすと笑われてしまったじゃないか……!恥ずかしっ

その子供さんは迷宮の話が大好きみたいで実に見ていてこっちまでが笑顔になれるような微笑ましい家族

ちらりと金髪を見ると同じような事を思っていたのか軽く微笑んでいた


『へえ…あんたそんな顔も出来るんだ』

「は?何を急に…」

「貧乏人が貧相な夢を見ておるなあ…“迷宮攻略″なんぞ、砂漠を漁るドブネズミの蛮業ではないか…そうだろ?運転手よ」

『っ!あんたねえ……っ!』

「おい黙ってろ……」


ぼそとそう呟かれ私は黙る 自分の夢が貶されてるのにどうしてにこにこ居れるの…?やっぱこいつ意味分かんな………

!、手が震えてる?もしかして……


『…ねえそういやあんたの、』


私の言葉は最後まで続かなかった 何故なら馬車が転倒したからである 横を見ると見たこともない生物がいた


『え、や、なにあれ……っ』

「“砂漠ヒヤシンス″だ…!」


は?砂漠ヒヤシンス…?なにそれ意味分かんないんだけど 自分でも顔が真っ青になり腰が抜け動けないのが分かる

金髪や他の乗客はみんなあの偉そうな奴の酒を運ぶのに必死だ

私はただ何にも出来ず一人で呆然と立っていたが子供が落ちそうになるのを見つけいち早く手を伸ばし子供を上に投げた

だが私は勿論落ちるわけで金髪が助けようとし手を伸ばしてくれるが届かず体がゆっくり落ちていく

これで私の人生終わりか、呆気ない人生だったな、そういや私はアラジンたちと会う前はどこで何をしてたんだろう……などと色んな事を考えた

ふ、と意識が途切れる中で最後に見えたのは金髪の君だった



(これで終わり、だって?)
(物語はこれからさ!)






 

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