魔法少女☆magi

□06
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あれから領主に腕を引っ張られ歩いているが何も考えられないというか頭の中では彼の事でいっぱいだ

大丈夫助けてやるから………なんて嘘じゃないやっぱりあいつ顔だけじゃん

何で、何で、何で、死んじゃったの………ねえ誰か冗談だって言ってよ


「………ちゃん、なまえちゃん」


誰かに呼ばてる様で横を見ると青い髪の小さい子が目に入った


『あ、アラジン…!?目が覚めたの!?』

「うんさっき!さっきからボーッとしてるけど大丈夫?」

『だ、大丈夫大丈夫……』


アラジンを見てるとアリババが死んだなんてとても言える様子じゃなかった


「………なまえちゃん、アリババくんは本当に先に行ったんだよね?」


びくりと身体が揺れ反射的に領主の方を向いてしまい冷たい眼で返される

その眼はまるで教えたらどうなるか分かっているだろうなと言いたげな


『……うん………』


ごめんアラジン友達を守れなくて、罪悪感でいっぱいだった私は顔を伏せ頷いた

数分歩いて辿り着いた場所は三つの横穴 勿論どれが正解なんて分かるはずがない


「君たち!この先は危険だ!領主たる僕が直々に調査してくるから女、子供はここで待っているんだよ」


格好良く良い人ぶってるつもりだがどうせゴルタスさんでも使うつもりだろうこの男は

領主が行き辺りにはシンとした空気が立ち込める………その沈黙を破ったのはアラジンだった


「やあ!おねえさんまた会ったね」


可愛らしい笑顔で手を振るがモルジアナちゃんは無視である するとアラジンはどうしかして笑わかそう必死に顔ネタをするが全て無視

最終はターバンで領主さま!といいながらマネをすると見事ツボに入ったのかくっと笑うモルジアナちゃん


「やっと少し笑ったね〜おねえさん」

「笑ってません……」

「笑ったよ?」

「笑っていません!」


こんな楽しそうな空間でも私が考えるのはアリババの事だった

……アラジンにはやはり本当の事を話した方が良いんじゃないかとそんな気持ちが込み上げてもやもやする

そんな事ばかり考えておりモルジアナちゃんとアラジンの話が入ってこずいたのが後ろからカタンと音がし振り向けば……………


「死んでしまいましたよ!!」


と叫ぶモルジアナちゃんの後ろにはそう死んでしまったアリババが居た
のだ

私は開いた口が塞がらないとかまさにこの事かのように衝撃過ぎて何も言えない


「…なまえちゃん、僕に掴まってて」

『へ?』


ぼそりと言えば頭をターバンを足元にひき空へと浮いた そのターバンにアリババも乗りモルジアナちゃんが振り向く


「ごめんねおねえさん僕らもう行くけど…また会おう 消えない鎖が消える頃…一緒に太陽を見に行こう!」

『アラジン……』

「知ったふうな事言わないで…私達、奴隷の人生がどんなものか少しも知らない癖に!!」


アラジンの言葉に怒りモルジアナちゃんは地面が割りながら壁を走ってくる

はっきり言って怖いっていうかその綺麗な足でどうそんなに力が出てくるとか教えて欲しい

なんて馬鹿らしい事を考えているうちにターバンは上に飛び逃れたようだ


『ったく、一時はどうなる事かと思った………変な芝居やめてよね』

「悪い悪い でも落ちた瞬間は本当に死ぬかと思ったぜ」

『無事で良かっ……た』

「!!?!な、な、何で泣いてんだよ!?」

『泣いてなんかな、い』


ずびと鼻水をそそりながら返す私は自分でも説得力がないと思う でもそれだけ安心して嬉しかった生きている事が


「ふふ、なまえちゃんは安心したんだよねアリババくんが生きてて」

『当たり前でしょ…っ私たち友達なんだから』

「そう…だな」

『ごめんね情けなくて…えっと、これが“真実“への扉?』


______目の前には大きな扉が佇んでいた


(生きていてくれて)
(有難う)







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