魔法少女☆magi

□09
1ページ/1ページ







ーーーーー誰だ?王になるのは…?


魔人は一言発せば辺りを一人一人見渡す ジャミル、モルジアナちゃん、アリババそして私


「お主も……違うが、そうか成程」

『え?なんですか…?』

「これから大変だろうがどうなるかはお主次第」

『わ、私の事知ってるんですか!?教えて下さい!私が何者かを…!!』

「まあそう焦る事は無い いつか分かる時が来る」


聞きたい事が沢山あるがぐっと堪え我慢する

私が何者かをーーどうしてこの世界に来たのかーー私が世界に必要なのかーー


『………すみません取り乱して』

「はっはっは!気にするな!」


ふうと息をそっと吐き落ち着けば大丈夫かとアリババに聞かれ大丈夫心配かけてごめんと笑顔で返す

わざわざ気にしてくれるなんて優しいなあ本当に


「さて他にはおらんかの…?」

『あとはアラジンくらいじゃ、』

「おお…?これはこれは…!“マギ”よ」

「えっ?…僕の事?」


こんな凄い巨人が頭を下げるなんて……やっぱりこの子は只者じゃないって感じがよく分かる

するとアラジンの持っている笛からウーゴくんが飛び出し私達には全く通じない会話というか動きを始めた

何で話さないんだろう………嗚呼そうかウーゴくんは顔がないんだっけ しかし中々シュールな光景である

会話が終わったようで魔人がこちらを向き我が名はアモンと自己紹介を始めそして


「あなた方の…“迷宮完全攻略”を認めます!」

『「ク、クリア!?」』

『良いのかなこんな感じでクリアしちゃって…!』

「良いって言ってんだからいいだろ!それより早くお宝詰めようぜ!!」

『わ!!ちょっと引っ張らないでよ!!!』


嬉しそうに私の手を引くアリババに子供だねなんて思いながら頬を緩める まあこのくらいで喜んでる私もまだまだ子供って事か


『よーしお宝いっぱい持って帰るぞー!!』

「おう!…あのよ今回は色々有難な」

『あははそれは私の台詞だってば 沢山助けて貰ったし それに私はアラジンやアリババと違って何にも出来なかった……』

「そんな事無いぜ 俺はいつだってなまえの言葉や笑顔を救われた」

『そんな事私じゃなくても』

「いやお前だから俺は救われたんだ……そうなまえだから」

『ア、リババ…』


真剣な眼差しで見詰められドキりとし赤く染まった顔で見詰め返す…否そんな視線から目を逸らせなかった

すっとアリババの手が伸びてき何もせず立ち尽くす私


「ごほんっ!」

『「!!」』

「全く最近の若いもんと来たら場所も考えずにいちゃいちゃとしよって…」

『そそそそんなつもりじゃないっす!!』

「そ、それより俺のお宝は!?クリアってことはこれ全部持ってっていいの!?」

「分かりやすい誤魔化し方じゃのう……どれでも勝手に持っていけ」


そう言われ嬉しそうなアリババを見て私は思わず笑みがこぼれる 嗚呼本当にクリアしたんだ

…でもこのままじゃ駄目だ わたし何にも出来ない もっと強く、もっと、皆を守れるように、誰よりも


「おい聞いてるかなまえ!」

『えっあ、ああごめん、何だっけ』

「此処が崩れるらしいからあの光の中に入るぞ!」

『え、崩れる…!?っていうかあの光の中に入れば助かるのわけ!?』

「いいからほら早く!!」

『ちょっとま…』


あいつ女の子のわたしを置いて一人で行くとか可笑しくね!?さっきまで格好良かったのにまさかのクズ発揮!?!

やっぱりアリババはアリババだったよ…………

お主は帰らんというのかというアモンの台詞を聞き振り返る その先にはモルジアナ

わたしは自然と身体がそちらに向かい彼女を腕を掴んだ


『――――モルジアナちゃん!!』

「っ、!こ、来ないで…下さい、私は領主様を…」

『助けちゃ駄目!!………前にも言ったように貴方には私達が居るからもう大丈夫 後はモルジアナちゃんが勇気を出すだけ』

「そ………その娘の言う通りだ…」

『「!?」』


声がする方に身体を向ければゴルタスさんが立っていた。び、びっくりした………!!!!ゴルタスさんって話せたんだ…っていうかあの傷で生きていた事が凄い

ゴルタスさんはギリギリでプライドを守っていたモルジアナちゃんに故郷へ帰れと一言残せば最後に力を振り絞って鎖を切った

そして私に後は頼む、と

軽く放心状態の可能を腕を引っ張りアリババ達の元へ 取り敢えずホッとしモルジアナちゃんの腕を離し座り込む


『っはあ〜〜〜!!』

「お疲れ様」

『有難うアラジンマジ天使』

「お前らのんきに話してる場合じゃないからな!?ほらまた膜に入るぞ!!!」

『うううまた起きたら一人ぼっちとか嫌だからね………っ』





   ・





『う、っここ…ど、こ?』

「なまえちゃん目が覚めた?」

『アラジン………?』

「やあ、帰りは三人見たいだよ」

『三人って事は…』

「よっ、」

『アリババも一緒なんだね!』

「うふふ丁度今回の冒険の話をしていたんだ、これで僕らの冒険もおしまいだって…」


俯き寂しそうに言うアラジンに何も言えず黙り込んだ

これで冒険は終わり、そう私達の物語はこれで終わるのだ


「…………なあアラジンとなまえ、世話になったな!」


お前らに出会わなかったら迷宮攻略出来なかった気がする。いざとなると全然動けない卑怯者だと自分を言う話すアリババ

違うそんな事ない私は本当の彼を知っている………否私達は


「だから今回はお前達の力で…」

「ううんそんなことないよ。君は勇気ある人さ!初めて会った日を覚えているかい?」


どうやら私が気絶していた時の事だ それにしても相変わらずアラジンは本当に人が欲しい言葉をくれるよなあなんて思いながらお邪魔な私はそっと二人から離れようとした


「勿論なまえちゃんもね」

『えっ』

「君もあの時自分の身を投げ他の人を助けるのにためらいもしなかった、そんな君達を僕はあの時から大好きになったんだ!」


アラジンの後ろに眩しい太陽が見えた気がした 眩しくて眩しくて手が届かないぐらいの

嗚呼この子は一体何者なんだろう………


「な、なまえ!!」

『うえ!?ごめんぼけってしてた…』

「まーたお前人の話聞いてない……これからも冒険は続くって話だよ」

『え?ま、またアラジン達と冒険出来るの……?』

「おう!」


っ嬉しい!!と今までないくらい笑顔でお礼を言えば顔をぶわっと赤くさせるアリババに驚いた

この迷宮の途中で思ったんだがまさかアリババって私に惚れてるんじゃ………って自惚れてて勘違いだと恥ずかしいから気にしない事にした


「お、俺この迷宮出たらお前に言いたい事がある」

『何々?果し状とか?』


面白半分ニヤニヤしながら聞いても俯き何も喋らないアリババを不思議に思いながらもまあいいかと流した

有難う、と言う私の声は静かにかき消された



(目が覚めたらきっと)
(また笑顔で会えるよね)





迷宮編 END


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ