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□ナナ様へ
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 「っちゅー感じでな、今日の隊首会赤ちゃんの話で終わってん」

 三番隊の執務室のソファに横になっとる乱菊に、隊首会の様子を伝えてみた。

 安定するまで仕事を休む事になった乱菊は、三番隊に入り浸っとる。

 家で寝ときて言うても、傍にいたいのって言われたら、そうするしかないやろ?

 「何だか皆さん、『初孫の誕生を喜ぶ祖父母』みたいですね」

 イヅルがお茶を出しながら笑った。

 「せやねぇ。副隊長さん達も入れ替わりたち代わり、何かしら持って来てくれるしなぁ」

 「修兵は号泣してたわね。どうする?生まれたのが女の子で、その子をお嫁さんに下さい、とか言い出したら」

 「射殺したる」

 「隊長!顔!顔が大変な事になってます!」

 「冗談は置いといて…あたし達、親になるのね。大丈夫かしら?あたし、親いなかったけど」

 「ボクもおらん。けど、大丈夫や。二人で色々悩みながら、親になってこ。な?乱菊」

 「そうね」

 まだお腹も膨らんでへんし、胎動もない。

 せやけど確実にここにおる、ボクと乱菊の愛しい子ども。

 「あぁー、はよ会いたいなぁ」

 「あたしも。楽しみね」

 「僕も楽しみにしてます!市丸隊長、乱菊さん!」

 「さしずめイヅルはおじちゃん、ってとこやね」

 「じゃあ日番谷隊長はおじいちゃんってとこね〜」





 何て幸せなんやろ。

 どんな言葉でも表せへんくらい…幸せ、じゃ足りひんくらいのものすっごい幸せ。

 乱菊がおって、イヅルがおって、仲間たちがおる。

 そんで子どもや。

 ほんまにほんまに、嬉しい。


 こんなボクを、親にしてくれて、ほんまに嬉しい。



 守るよ。何があっても。

 子どもも乱菊も、ボクが必ず守ったる。

 やって、ボクの命以上に大切な二人やから。


 この世で一番愛しい、存在やから。


 せやから、安心して生まれてきぃや。


 君が生まれて来る世界は、



 こんなにも皆の優しさで、



 溢れかえっとるからーーー


 
END。 
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