お題(ほぼギャグ)

□そんなに褒めるなよ
1ページ/1ページ

 放課後。たまたま職員室で、ギンは国語担当の藍染と二人きりだった。

同僚からも生徒からも、『優しい』だの『紳士』だの『ヨン様みたい』だの言われてすこぶる評判の良い教師、それが藍染である。

その藍染が、何やら手元を見てニヤニヤしている。


 (何ぞオモロイもんでもあるんか?)

 その背後から覗き込んでみて、ギンは激しく後悔した。



 『朝方うなされている、可愛い一護』
 
 『君は私から逃げる事は出来ないよ、黒崎一護』
 
 『今日も何て可愛いんだ、私のスイートハニー・一護』


などと書かれている、ギンの教え子でもある黒崎一護の写真の数々。

それを可愛らしい写真アルバムにせっせと整理していく、紳士と名高い藍染惣右介。(年齢不詳)


 (うわぁ…。これはあかん…)

もうドン引きである。

 ギンは音を立てないように注意を払いながら数歩下がった。

しかし。


 「おーい、市丸ー。日誌持ってきたぞー」

 藍染の想い人の一護が職員室へと、やって来てしまった。

その瞬間勢い良く立ち上がり、
 『黒崎一護〜!!』
と今にも飛びかかっていきそうな藍染の首元をギンは掴んだ。


 「逃げてー!黒崎君はよ逃げてー!この変態、君の事、狙っとるー!!」


 「げっ、マジかよ!!」

 ドン引きである。もちろん一護もドン引きだ。

しかし…。
 

 「変態?そんなに褒めるんじゃないよ」

 



 眼鏡のフレームに手をやり、照れたように顔を赤らめ笑う藍染を見て、

ギンと一護は我先にと職員室から飛び出して行った。




(うぉーーー!!こえぇぇぇ!!変態、こえぇぇぇーーー!!!)

(褒めてへんっちゅうねーん!!あのくそ狸ぃぃぃぃーー!!!)



 
 この日一護はギンに泣きつき、家まで送ってもらったという。



 



END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ