お題(ほぼギャグ)
□そんなに褒めるなよ
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放課後。たまたま職員室で、ギンは国語担当の藍染と二人きりだった。
同僚からも生徒からも、『優しい』だの『紳士』だの『ヨン様みたい』だの言われてすこぶる評判の良い教師、それが藍染である。
その藍染が、何やら手元を見てニヤニヤしている。
(何ぞオモロイもんでもあるんか?)
その背後から覗き込んでみて、ギンは激しく後悔した。
『朝方うなされている、可愛い一護』
『君は私から逃げる事は出来ないよ、黒崎一護』
『今日も何て可愛いんだ、私のスイートハニー・一護』
などと書かれている、ギンの教え子でもある黒崎一護の写真の数々。
それを可愛らしい写真アルバムにせっせと整理していく、紳士と名高い藍染惣右介。(年齢不詳)
(うわぁ…。これはあかん…)
もうドン引きである。
ギンは音を立てないように注意を払いながら数歩下がった。
しかし。
「おーい、市丸ー。日誌持ってきたぞー」
藍染の想い人の一護が職員室へと、やって来てしまった。
その瞬間勢い良く立ち上がり、
『黒崎一護〜!!』
と今にも飛びかかっていきそうな藍染の首元をギンは掴んだ。
「逃げてー!黒崎君はよ逃げてー!この変態、君の事、狙っとるー!!」
「げっ、マジかよ!!」
ドン引きである。もちろん一護もドン引きだ。
しかし…。
「変態?そんなに褒めるんじゃないよ」
眼鏡のフレームに手をやり、照れたように顔を赤らめ笑う藍染を見て、
ギンと一護は我先にと職員室から飛び出して行った。
(うぉーーー!!こえぇぇぇ!!変態、こえぇぇぇーーー!!!)
(褒めてへんっちゅうねーん!!あのくそ狸ぃぃぃぃーー!!!)
この日一護はギンに泣きつき、家まで送ってもらったという。
END