お題(ほぼギャグ)
□拒否権
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「アホか、てめぇは!!俺はぜってぇ嫌だからな!!」
オレンジ頭に目つきと、ついでに口も悪い黒崎一護が、目の前に静かに佇むウルキオラに怒鳴りつけた。
「俺はアホではない。それにお前がいくら嫌だと言っても俺には関係ない。俺の言う事に従ってもらう」
一護がいくら声を荒げようが、顔色一つ変えないで言い放つウルキオラ。
そんな二人のやり取りを見て、級友であるグリムジョーがギロリと睨みつける。
「おい、ウルキオラ。一護が嫌がってるじゃねぇーか!いい加減諦めろ」
「貴様には関係のない事だ、グリムジョー」
こちらでも火花が飛び散り一触即発のムード。
(いま、授業中なんやけど…)
ギンは黒板に問題を書きながら、深い溜息をついた。
「だいたい何で俺がてめぇにキスしなきゃいけないんだよ!」
(え?何?ウルキオラ君、そないな事言うたんか?直球やなぁ)
「何故だと?お前が俺の事を好きだからだ」
(ちゃうやろウルキオラ。君が黒崎君の事好きなんやろ?)
「てめぇ、黙って聞いてれば…。黒崎はてめぇじゃなくて、俺の事が好きなんだよ!!」
(いやいや、待ってぇー!?君もかい、グリムジョー!!)
「てめぇも何言ってんだ、グリムジョー!!いいか、ウルキオラ。俺はお前にキスはしねぇー。分かったか!?」
(おおっ!黒崎君、強気やね)
「…ちなみにお前に拒否権は微塵もない。したがって、お前は俺にキスするんだ、黒崎」
(…もっと強気なんがここにおったか…)
今日も授業にならなかったと嘆くギン。
固まってる一護をよそに、彼を巡って喧嘩しているウルキオラとグリムジョー。
「早くクラス替えしねぇーかな…」
遠い目でノートを眺めたまま、日番谷冬獅郎がそう呟いたとか呟いていないとかーーー
END