お題(ほぼギャグ)

□見た目と匂いでまずアウト
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 今日一日、実に長かった。
 

早く帰れるように仕事を頑張り、いつもより二時間近くも早く校舎を出ることができた。


 それもこれも、愛してやまない乱菊からお誘いのお陰だ。


 『仕事が終わったら真っ直ぐ家に来て』

 ギンを見上げながらいたずらっぽく笑う少女。その場で抱きしめたくなる衝動を必死に抑えた。


 『何ぃ?何かあるん?』

 『それは来てからのお楽しみ』

 自分にウインクをしながら去って行く乱菊の後ろ姿を見ながら、あらぬ期待を持ってしまうのは男の性と言えよう。


 かくして、今日一日ギンは早く放課後になれと授業そっちのけで妄想に耽っていたのだった。



 「家に来てって、やっと乱菊もその気になってくれたんかなぁ?いやいや、まだあの子は学生や。手ぇ出したあかんやろ、自分…。でも乱菊がええて言うんやったら!」

などとブツブツ呟いていると、いつの間にか乱菊の自宅前まで来ていた。


 いざピンポーン!とインターフォンを押そうとしていたら、教え子でもある黒崎一護も向こう側から歩いてくる。


 一護も市丸の姿をみとめると、軽く右手を挙げた。


 「おーす。市丸も呼ばれたのか?」

 「え?黒崎君も乱菊に呼ばれたん?」


 あれ?二人きりやない?何で黒崎君も?え?まさかの3○かいな?いや、許さん、乱菊の身体見せるなんて許さん、まじ黒崎ボケー。


 心の中はどこまでも黒いギンだが、表面上はいつもと変わらない笑顔を浮かべている。


 「いや、俺は井上に呼ばれたんだよ。さっき電話が来て、今から乱菊さんの家に来てって」

 
 織姫ちゃん?織姫ちゃんも乱菊ん家におるんかいな。え?つまりどういう事?3○やのうて、4○ってか?うわ、どうしよ、僕には乱菊が…いやいや、待て待て。三人はまだ学生やねんて、しっかりせんかい、自分!でも乱菊が望むんやったら…。



 またもや自分の世界へ旅立つギンに、呆れた表情をしながらも一護はインターフォンを押した。
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