銀猫の導き・二

□Proof
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      Prologue





 金色の美しい髪が風に靡いている。

華奢な体つきの金髪碧眼の青年は、一枚の隊長羽織を胸に抱いて、持ち主を思って肩を震わせた。



 「…どうして…乱菊さん…」


 キツく抱きしめた羽織に顔を埋める。

その羽織は青年、吉良イヅルの涙でどんどん濡れていった。



 膝を折って泣き続けるイヅルの姿を悲痛な面持ちで見つめながら、日番谷冬獅郎はかつて己の部下だった大輪の華を思い浮かべた。



 「…バカヤロ…。お前はほんと、馬鹿だよ、松本…」




 その時、突然吹きつけた一迅の風に思わず緩めたイヅルの腕の中から、血に染まった隊長羽織が空へと舞った。


 「あっ!…ダメだ…乱菊さん!!」


 ー行かないでー



 慌ててその姿を追ったが、風に飛ばされた羽織は、空高く舞上りやがて見えなくなった。






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