銀猫の導き・二
□まほろば
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ほんとは分かってた。
ギンの足を引っ張ってるのもあたしで、重荷なのもあたしで、役立たずなのもあたし。
その癖目立つ容姿のせいで、厄介事ばかり起こすのも、あたし…。
ギンの傷が増えていくのもあたしのせいだ。
あたしがいなければ、ギンはもっと楽に生きて行ける。
何考えてるのか分からない顔してて、変わってて、掴みどころがなくて…。
でも、恐ろしく頭はいいし、要領もいい。
一人でも生きて行ける。
分かってるの。
そろそろ離れるべきだって。
じゃないとギン、自分を大切にしてくれないでしょう?
あたしの事には敏感な癖に、自分の事には無頓着で。
それがあたしは嫌なの。
あんたが傷付くところなんて、
見たくないのよ…
だから、ねぇ…ギンーーー
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