彩歌

□天と海にて
1ページ/3ページ

 眼を閉じたらいい。

そしたら何も見んで済む。

そう言い聞かせて、僕は心を殺していく。

 
 眼を閉じるんや。

鋭く研いだ己の心に、身体に、全身に馴染む、アイツを殺す為の武器を集めていった。


 
 僕の中の幸せは、あの日君を置いていった時に、崩れ去ってしもた。


 せやから、僕のパズルの絵柄は揃う事なんて、もうない。



 忘れてしまえ。忘れてしまうんや。


何度君への想いを断ち切ろうとしたやろう。

 いくら星にそう願っても、散りゆく流星を貫いて、

その願いさえ果たせへん。


 
 天があかんねやったら海に沈めようとしてみたけど、

 君への想いは、何度だって浮かんでくる。


 それは泣き伏す僕の足元を漂いながら、



 キラキラと光ってたーーー
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ