彩歌
□天と海にて
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眼を閉じたらいい。
そしたら何も見んで済む。
そう言い聞かせて、僕は心を殺していく。
眼を閉じるんや。
鋭く研いだ己の心に、身体に、全身に馴染む、アイツを殺す為の武器を集めていった。
僕の中の幸せは、あの日君を置いていった時に、崩れ去ってしもた。
せやから、僕のパズルの絵柄は揃う事なんて、もうない。
忘れてしまえ。忘れてしまうんや。
何度君への想いを断ち切ろうとしたやろう。
いくら星にそう願っても、散りゆく流星を貫いて、
その願いさえ果たせへん。
天があかんねやったら海に沈めようとしてみたけど、
君への想いは、何度だって浮かんでくる。
それは泣き伏す僕の足元を漂いながら、
キラキラと光ってたーーー