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□みさ様へ
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 「僕、これで納得しました」

 乱菊のカフェを出て、会社に戻る途中、イヅルがポツリと呟いた。


 「何がや?」

 「市丸先輩、ものすごくモテるのに特定の彼女作った事ないですよね?」

 「ああ。せやね。つまみ食いはようしとったけどな」

 「何でかな?って、ずっと不思議に思ってたんですよね」

 「乱菊以外の女に、興味ないからな、僕」


 確かに僕はモテた。

女に不自由はなかったし、男の欲は仕方ないとして、僕はきっと乱菊しか愛されへん事も分かっとった。

 僕の言葉に、イヅルは軽く頷いた。


 「よく分かりました。それに今日初めて松本さんを見て、僕も何だか懐かしい気持ちになりました。雛森さんにも似た、あの懐かしい感じが…」



 せやろなぁ。何せ乱菊は、前世の時イヅルの事気にかけとった。

まっ、僕がイヅルをからかってイジメて楽しんどったんを見かねてっちゅうのもあるやろけど。


 「イヅルは乱菊に、可愛がられとったからな。むかつくくらいに」



 今世紀最大のいい笑顔を放ったら、イヅルまたしても真っ白になって、固まってしもた。

 



 やっと乱菊に会えて、三ヶ月かけて今の様に話できるようになって…





 でもな、僕知ってるねん。




 今乱菊に、




 彼氏がおるって事…





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