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□キャサリン様へ
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   *Beautiful World*


 逢いたくて。

 君に逢いたくて。


 僕は毎日、探し続けてた。


 君という名の、眩い世界を





 
 「何そんな所で寝てんねん。ガキィ」

 何日もご飯食べてなくて、しかも体のあちこちが痛くて。

これからどないしよう思て公園のベンチで寝てたら、突然ふって来た言葉。

その声はどこか居心地の良いもんで。

それに釣られて少し開けた眼には、鮮やかな金色が飛び込んできた。


 僕がずっと探していたあの子を彷彿とさせる、金色。


 それが僕と平子真子との出会い。


 僕の世界が、二度目の輝きで溢れた瞬間やったーーー




****




 微睡みの中、鼻孔をくすぐる良い香りが漂ってきた。

 (これはコーヒーの匂いや)

それと同時に、忙しなく動き回る足音も聞こえてくる。

 (平子さん、ほんま朝からよう働くなぁ…)

 そんな事を頭の隅で考えつつも、覚醒には程遠い。

 何せ僕は、自他共に認める低血圧やから。


 (そろそろ来るな)

 布団の中で一度寝返りを打つ。

だんだん近づいてくる足音。

そして、勢い良く開く部屋のドア。


 「おい、こらギン!さっさと起きろや、クソガキがぁ!!」

 響き渡る平子さんの声。

 これが僕の、いつもの朝。




 のっそり起き上がってまずは洗面所。

顔を洗って覚醒を促す。ある程度覚醒したところでリビングへ。

 既にテーブルには朝食が用意されている。

 ご飯、味噌汁、焼き鮭、昨夜の残りのサラダ。

うん、平子さん、いつでも嫁に行ける。

 「何阿呆な事抜かしとるんじゃ!俺は男や!」

 ガンッ!殴られた。ほんでもって、
声に出してたみたいや。

 「痛ぁ…。ほんま、手の早い人や…」

 「訳分からん事ぬかすからじゃ」

 口も悪い。それでも僕にとって、唯一の家族。

 「おはよう、平子さん」

 「おう、おはようさん。ギン」


 二人で食べる朝食は、いつも優しい味がするんやーーー
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